ホワイトハウスが2021年にAI研究予算を倍増、2年間で約2200億円に
ホワイトハウスが人工知能研究資金として10億ドル(約1100億円)増額するべく動いており、予算はほぼ2倍になる。ロイターが2月7日、予算案について説明を受けた関係者の話として報じた。金額には国防省の予算は含まれない。量子コンピューティングへの投資も大幅に増額される見込みだ。
2021年の予算案では、今後2年間でAIの研究開発資金を約20億ドル(約2200億円)に、量子コンピューティングは約8億6000万ドル(約950億円)に増額するとのことだ。
米国は、AI分野で中国との「レース」を争っているが、ほとんどのレースと違い、このレースには実際のゴールはない。ただ、十分にリードできれば、ビジネスや軍事用途での機会が生まれ、Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)のような次の世界的な独占企業に成長する可能性がある。そうした独占企業は、国家に準ずる存在として、自身の目的のためにこの分野に大きく投資する。
単純に予算を2倍にしても、誰もがその規模の予算を持てるなら、先頭を走るための魔法の弾丸にならない。もちろんAIを新しい分野に展開するのにコストがかからないわけではなく、補助金やもっと直接的な資金供給が実行されれば、確実により広く応用される。機械学習が非常に幅広い目的に役立つことは明らかなため、当然多くの研究者や研究所にとっての次の一歩になるが、専門知識や処理能力を備えるには資金が必要だ。
資金がどう供給されるかははっきりしない。このトピックを念頭に置いて連邦中小企業革新研究報奨金のような既存のプログラムを拡張するか、国立研究所のような研究センターへの直接的な資金供給を増やすこともできる。
量子コンピューティング関連分野の研究も同様に金がかかる。Googleが秋に達成した、あるいはそう主張している「量子超越性」という1つの節目はこの分野の科学の始まりに過ぎず、関連するハードウェアもソフトウェアも先例のようなものはまだ多くない。
さらに、現在および近い将来の量子コンピューターに使えるアプリケーションはまだほとんどないため、この分野で何かを追求することは、投資とは言っても最も楽観的な意味になる。ただし、既存の制度を介した政府からの資金提供や助成金は、まさにこの種の研究のリスクを軽減する意図がある。
NASAの予算もアルテミス計画におけるさまざまな試みを加速および強化するために大幅増加が予想される。ただ、資金がどのように調達・再配分されるかは、現状明らかではない。
画像クレジット:DrAfter123 / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)