Proxima Technologyが単眼・ステレオカメラ対応の深層学習を用いた高精度visual SLAM技術「DVF SLAM」開発
製造業を中心に様々なAIシステム開発を手がけるProxima Technology(プロキシマ テクノロジー)は5月13日、深層学習を用いた独自のvisual SLAM(visual Simultaneous Localization and Mapping)技術「DVF SLAM」(Deep Visual Fast SLAM)を提供開始したと発表した。
近年では自動運転の発展に伴い、SLAM技術の需要が大きく高まっている。これはLidar(ライダー)やステレオカメラ、単眼カメラなどのセンサーから得られるデータより、自己位置の推定と地図の作成を同時に行う技術だ。また、カメラを使う技術はvisual SLAMと呼ばれる。
一方でvisual SLAMには「特徴点ベースの手法ではスパース(すかすか)な地図しか得られない」「計算が重くリアルタイムでの実行が難しい」「純回転のような動作に弱い」「誘拐に弱い」などの弱点があった。
これに対してProxima Technologyが開発したDVF SLAMでは、ニューラルネットによって抽出された低次元の特徴量空間(Code Manifold)上で最適化計算を行うため、高速でかつノイズ・誤差に対してロバストな再構成が可能となった。また、ニューラルネットによって抽出された特徴量をデータベースに保存しておくことで過去の記憶をコンパクトに保持でき、現在地と過去の来訪箇所との対応や未知な場所かどうかの判定が効率的に実行できるという。
同社は、DVF SLAMを利用することで高精度かつ密な再構成をリアルタイムに実現できるとしている。
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