重要なのは金よりも育成環境――Google出身者たちが作ったインキュベーターAngelPadの哲学を聞く

昨晩(米国時間8/22)本誌が第一報を載せたAngelPadは、Google出身の7名が立ち上げたインキュベーターだが、まだ公式の発表は行われていない。でも今日本誌は、同社に関するさらなる情報を手に入れることができた。どうやって? それはだなぁ、その7名のGoogle出身者の一人であるThomas Korteが、なんと本誌のオフィスにやってきたのだよ。

実はそれは、Korteにとって簡単なことだった。AngelPadのオフィスは本誌のオフィスと同じくサンフランシスコのSoMa地区にあって、いわばお隣さんのようなものなのだ。開業はまだ先(9月10日)だが、最初に選ばれたスタートアップたちも、そこで’授業’を受けることになる。

しかも、最初の対象スタートアップの一部は、すでに決まっている。Korteによれば、今決まっているこの最初の’クラス’の’受講者’は10名(10社)だ。しかし9月10日の開業時には約25名のファウンダーたちが、AngelPadのオフィスで10週間、訓練を受けつつ仕事をすることになる。希望者は、プログラムの終了後もその場所を使ってよい。

AngelPadの事業のやり方は、まだ細部まで煮詰まっていない、とKorteは認める。しかし、その基本的な考え方が重要だ: 彼らがGoogleの初期に経験したような雰囲気を作り出すこと。”まわりに優秀な人がいっぱいいてね。それがまさにGoogleの最大の魅力だった“、とKorteは言う。

彼曰く、自宅や自分のオフィスで仕事をしているファウンダたちは、身近にいる優秀な人たちと気軽に会話をすることができない……やってることがお互い全然違っていても、そういう会話はとても重要だ。もちろん、7名のGoogle出身者たちもアドバイザーになるが、もっと重要なのは、何年もかけて築かれた彼らの人間関係ネットワークだ。AngelPadの翼の下に入ったスタートアップは、気軽に相談できるエライ人たちがまわりにいっぱいいる状態になる。

今の10名は、何名の中から選んだのか、それをKorteは言わないが、まだ一般発表をしていない段階だから、7名のファウンダたちが彼ら10名を手作業的に選んだのだそうだ。最初のクラスに選ばれた10名の半分以上が、実はGoogle出身者なのも、そのせいだろう。

10週間のインキュベータープログラムと聞くと、われわれは当然のように、Paul GrahamのインキュベータY Combinatorのことを思い出す(YCのデモデーが明日だ)。Korteも、この“インキュベータ 2.0”がGrahamの発想であることを率直に認めるが、APはYCと違って、ある程度経験のあるファウンダーたちを主に対象にする、と言っている。

AngelPadの最初のクラスに参加するSnip.lyのファウンダZal Bilimoriaが、Quoraの記事で、Y Combinatorとの違いを次のように説明している:

  • YCはカリフォルニア州Mountain Viewにあり、APはカリフォルニア州サンフランシスコにある。
  • APは10週間オフィススペースを与え、そこで参加者全員が毎日コラボレーション的な雰囲気で仕事をしていく。
  • APは主に、スタートアップを立ち上げたいと考えている各分野の経験者を受け入れる。YCには、そういう限定はない。ただし、経験者であることが絶対要件ではない。
  • APは、経営担当の協同ファウンダと技術担当の協同ファウンダの両名がいるスタートアップを主に求める。ただしこれも、絶対要件ではない。

共通点としてBilimoriaは、どちらもウェブスタートアップが対象であることと、ファウンダーフレンドリーであることを挙げている。

Korteによれば、AngelPadは7名の共同出資で、その資金が参加スタートアップたちに投資される。1社あたりの額は、Y CombinatorやTechStarsの傘下企業より大きいそうだ。

なお、AngelPadをいわゆる“スーパーエンジェル”(大量の外部資金を集めてスタートアップに投資するエンジェル投資家)にはしたくない、とKorteは言っている。彼によれば、中心的な目的はお金ではなく、スタートアップの成長を助ける環境づくりにあるからだ。

Korte曰く、今ではDogpatch LabsやKicklabsのようなクリエイティブな仕事環境の人気が高い。そうか、これら2社もGoogle色が濃いから、AngelPadも同じく、スタートアップたちの人気スポットに育つかもしれないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))