ホワイトスペース帯域のオープン利用にFCCが青信号―Google(でも誰でもいいが)のWiFi2.0実現に期待

2年半ほど前、GoogleはFCCの700MHz帯のオークションで“敗れた。”という形になっているが、Googleがオークションに参加した目的はこの帯域のオープンアクセスを実現することだったから、実は勝ったといってよい。一方Googleは(携帯向け700MHz帯の解放に加えて)ホワイトスペースのオープン利用の実現についても努力していた。ホワイトスペースというのはテレビ放送が利用している周波数帯だが、視聴者がケーブルその他の受信手段に移行するにつれて次第に使われないチャンネルが増加していた。

この空いた周波数帯は現在のWiFiが旧式に見えるほど高速で遠距離まで到達できるデジタルデータ伝送チャンネルに利用できる可能性がある。そのためホワイトスペースにはWiFi 2.0とか筋肉増強剤を飲んだ&WiFiなどというニックネームがつけられている。今日、FCCの委員はホワイトスペースの自由利用に最終的な承認を与えるための投票を行った。

その結果、FCCは委員の全員一致(5-0)でホワイトスペースの自由利用を認める決定を下した。新たに採用された規則によれば、Googleのような企業はホワイトスペースの利用の準備を始めることができる。もちろんGoogleには2年半(おそらくそれ以上)も考える時間があったわけだから、すでに具体的な計画を持っているはずだ。あとは実行あるのみだ。

この決定が重要な理由はいくつかある。なかでも最大のものは、ホワイトスペースが無認可で利用でき、したがって従来周波数帯域を独占し、イノベーションを抑圧して金儲けをしてきた携帯キャリヤや放送局のコントロールが及ばないことだ。つまりGoogleのようなテクノロジー企業がイノベーションを起こす余地が生まれるわけである。ロイター通信によれば、ホワイトスペースの利用に興味を示しているのはGoogleだけではなく、Microsoft、HP、Motorola、意外にもSprintまで含まれるという。

もちろんホワイトスペースWiFiがカバーできる領域は現在の携帯キャリヤのカバー領域とは比べ物にならない。しかし将来ホワイトスペースWiFiが町々に広く普及し、キャリヤに縛られた携帯の代わりにWiFi携帯が使えるようになったところを考えてみよう。夢だろうか? そうかもしれないがもう少し夢を見続けさせて欲しい。

驚いたことに。ホワイトスペース解放にいちばん強硬に反対していたのは携帯キャリヤではなかった(もちろん不快に思っていたキャリヤもあるだろうが)。ホワイトスペースの利用が既存のテレビ放送に干渉するおそれがあるという理由で全米放送事業者協会(NAB)が反対を続けていた。しかし今日のFCCの決定で方針の見直しが必要になるだろう。

Update: Martin Suterの深い知識に基づいた長文のコメントは必読だ。それによると、ホワイトスペース周波数帯の利用が有効なのは主に田舎ということらしい。

Update2: FCCの決定についてGoogleがコメントを発表した。

主要な部分は以下のとおり。

すでに数年前からテクノロジー業界、公益団体、起業家はイノベーションの実現のためにこうした周波数帯域を無認可で自由に利用できるようにすべきだと主張してきました。今日のFCCの決定によって、ついにこの長年の懸案を実行に移すための青信号が灯りました。これによって次世代の無線テクノロジーが生まれるでしょう。これはアメリカ全国のインターネット・ユーザーにとっての勝利といえます。

さらに、

今回のテレビのホワイトスペースに関する決定の次に来るべきものは何でしょうか? われわれはFCCが一日も早く位置情報データベースの管理者(1ないし複数)を選定し、運用ルールの基本を決定するよう希望します。データベースが整備され運用可能になれば、ホワイトスペース利用機器を消費者のもとに届ける準備が整います。

〔訳注:ホワイトスペースWiFiはテレビ放送帯域の空きチャンネルを利用する。空きの状態は地域によってことなるのでデバイスは現在位置の情報をベースにチャンネル情報データベースを検索して利用する周波数帯を決定する必要がある。この記事の図を参照〕 

[photo: flickr/Ed Schpuil]

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01)