位置情報サービスにステッカー・ウォーズ勃発

われわれは今、誰が位置情報サービスの未来を支配するかを決めるかもしれない、きわめて重要なレースのまっただ中にいる。しかし、シリコンバレーお決まりの武器である技術力やネットワーク効果とは異なり、これは少々ローテクだ。要するにステッカーの話である。

サンフランシスコ中心部のデパート、メイシーズに行くと、玄関に目立つように貼られたステッカーが、Facebookでチェックインしてスペシャル特典を受けるよう誘いかけている。Facebookが特典サービスを始めたのがわずか一週間前だったことを考えると、お見事だといえよう。そして、これは今後起きようとしていることのほんの序章にすぎない ― このソーシャルネットワークが事業展開に本腰を入れるにつれ、他の多くの大規模小売店がFacebookステッカーを貼りまくりのを見ることになるだろう。

こうしたウィンドウステッカーはことさら新しい物ではない。Yelpはおそらくウェブ企業の中でこの戦術を用いた中で最もよく知られており「People Love Us On Yelp!」[仮訳:Yelpでも当店をよろしく]のスローガンが書かれたステッカーを店舗に配り始めてからかなり時間がたつ。今年の夏にはFoursquareがユーザーにチェックインを促すオリジナルステッカーを作って配布を開始した。じつはFacebookも店舗がFacebookファンページを使ってプロモーションするのを後押しするために、4月から自社ステッカーを配布している。しかし、これら位置情報特典ステッカーの展開は変わっていきそうだ。

今現在、多くの人たち(おそらく大多数の人たち)は、チェックインが何であるかを全く知らない。Gapが無料ジーンズのキャンペーンを始めた時、同社のFacebookファンページに行って、実際にチェックインすると書いた人たちもいた。しかし、今後数ヵ月でそれが変わりそうだ。多くの店舗が特典を提供するようになるにつれ、ユーザーには、このしくみを理解する経済的インセンティブが生まれるからだ。ひとたびそうなれは、馴じみのあるサービスのステッカーを探し始めるだろう。

言い換えれば、これらのステッカーは各サービスのマインドシェア[客の心の中でのシェア]のリアルな代理人である。多くの種類のステッカーを貼ってユーザーにFacebookやFoursquare、SCVNGR等々にチェックインするよう薦める店もあるだろう。他の店 ― 私の予想では大半の店 ― は客の混乱を避けるためにサービスを一つ選んでそれを続けるだろう(複数のサービスの特典を管理しなくてすむからでもある)。そして、現時点ではこのウィンドウスペースを勝ち取るのはFacebookになることに私は賭ける。

客はチェックインのしくみを当初理解していないかもしれないが、おそらくFacebookにはすでに入っている。一方、Foursquareはニュースでよく聞いたことがあるだけの名前だろう。Foursquareは、ステッカーの配布や他のプロモーションをさらに大きな規模で行うことによって、この戦いで何ヵ月もの先行スタートを切っているが、私はもう遅すぎると思う ― チェックインの上にもっと付加価値を乗せることに焦点を絞る必要があるだろう(会社もそれをわかっているらしい)。

Facebookの火に少々油を注いでみる。本誌にさきほど入ったタレコミによると、地元のChipotle[メキシコ料理チェーン]に、Facebook特典ステッカーの大箱が届いたそうだ。無料ブリトーはいかが?

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(翻訳:Nob Takahashi)