Googleに疑惑―バナー広告売上の急増の陰に不正リベート?〔抄訳〕

Googleのバナー広告の売上は天井を吹き飛ばさんばかりに急上昇している。あまりに景気がよいので、Googleは先ごろ、「このまま推移すれば今年の売上はバナー広告だけで$2.5B(25億ドル)に達する」と自慢したほどだ。この広告の伸びの大部分はYouTubeを始め、Google自身の運営するサイトからのものだ。しかしGoogle(に限らず業界全体)のバナー広告の伸びを支えている大きな要因が、大手広告代理店の営業力と、彼らのいわゆる「出稿側広告プラットフォーム(DSP= demand side platform)によるものだということはあまり知られていない。
ある推計によると、DSPを通じた広告はすでにオンライン広告全体の10%を占めており、向こう数年以内に50%にまで達する可能性があるという。
特に、そのPublicisという広告代理店は膨大な広告売上をGoogleにもたらしているが、2名の別個の業界の情報源は、Googleはその見返りにキックバック、ないしリベートをPubliscisに支払っていると主張している。Vivaki(Publicisのデジタル広告事業部)の上級副社長、Kurt Unkelはそうした支払いは「一切行われていない」と否定した。「リベートなど受け取っていない。われわれはGoogleと戦略的提携関係を結んでいるだけだ」とUnkelは言う。PublicisがGoogleに広告を流す代わりにリベートを受け取っているなどというのは嘘の皮もいいところだ、とUnkelはきっぱり否定した。
またUnkelは「それにそうしたリベートはアメリカでは違法だ」と付け加えた。
Googleの返事はもう少しまわりくどいものだ。「一定のインセンティブは存在する。しかし札束を支払うような例は知らない」とGoogleの広報担当者は認めた。このインセンティブは、出稿側広告プラットフォームの開発支援、共同マーケティング、教育訓練の提供などいろいろな形態を取る。「〔インセテイブは〕PublicisとVivakiが一定の業績を上げた場合に提供される。コミッションが支払われることはない」とGoogleの広報は言う。つまり利益の提供はあるが、Vivakiの広告プラットフォームをテストし開発するための技術支援なという形態を取っているわけだ。
直接のリベートは固くご法度であり、反トラスト捜査の対象になる。しかし広告ネットワーク側に利益提供が行われているとすれば、事実上Googleがバナー広告の市場シェアを買い取っていることを意味する。Googleのシェアの急上昇が競争によるものであれば、問題はない。しかしどんな形態であろうと、経済的な利益をPublicis(あるいは他の広告代理店)に約束してバナー広告を取ってきたのであれば、大いに問題があると言わざるをえない。特に問題になるのは次のような点だ。Googleが提供しているインsテンティブの原資が、バナー広告事業における利益から出ているのか、それとも検索広告などの他の分野における事業の利益から出ているのかだ。もし後者であるとすると(再度断っておくが、この点に関しては、匿名の伝聞以外なんら証拠があるわけではない)、反トラスト法に違反している可能性が出てくる。このインセンティブの提供がPublicis以外の広告プラットフォームに対しても広汎に行われているならますますそうだ。
ここでもGoogleとPublicisはキックバックの存在を断固否定し、「GoogleがPublicisに広告売上のノルマを課したような事実も全くない」としている。しかし、広告代理店再度のプラットフォームであるDSPがGoogleのバナー広告の成長に顕著な役割を果たしていることは間違いない。あるPublicisの社員は、匿名を条件として、2010年にPublicisはGoogleに$1B(10億ドル)の広告を送り込んだと証言した。この数字についてはUnkelも否定していない。前述の社員によれば、このうち大半は依然として検索連動広告だが、$200M(2億ドル)はバナー広告だという。しかもバナー広告の部分は急成長している。この社員は近々Publicisがクライアントの代理を務めるGoogle向け全オンライン広告のうち半分がバナー広告になると考えている。しかも重要なことに、“Googleのバナー広告の成長とPublicisの利益の増加は歩調を合わせているという。
オンライン広告は間違いなくPublicisの好調を支えるカギだ。Publicisは多様な広告関係のビジネスを傘下に持つ巨大持株会社で、年間広告扱い高は$60B(600億ドル)を超える。今年の第3四半期のオンライン広告は全売上€1.3B(13億ユーロ)の29%、北米市場での売上 €666M(6億6600万ユーロ) の44%を占める。北米での売上は36.5%の増加で、他のどの地区よりも急速だ。オンライン広告の伸びも28.1%とアメリカのインターネット広告全体の17%という増加率を大きく上回っている。
Googleの広報担当者は、広告代理店のネットワーク(DSP)がバナー広告の急成長の重要な要因であることを認めたが、「これはGoogleに限ったことではなく業界全体で同様だ。また〔Googleが買収した〕DoubleClickAd Exchangeからの広告トラフィックも過去1年で3倍になっている」と述べた。Google自身の統計によれば、サイト運営者が受け取る広告料金は、Googleからのものが他のライバルの料金に比べて平均130%も高いということだ。
〔以下原文参照〕
Photo credit: Flickr/ Noah Wesley
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(翻訳:滑川海彦/namekawa01)


