NetflixのCEO Reed Hastingsが「うちを空売りするのは間違い」と力説

Netflixの株は、今年好調だった。年初から今日(米国時間12/20)までで225%の上昇、時価総額は$9.3B(93億ドル)になった。しかしまだ、本物の安定には達していない。とにかく、空売りする連中が多く、そのことは将来の株価の下落が予想されていることを意味する。ウォールストリートのせわしないアナリストたちは、同社の株を格下げしている。今日、CEOのReed Hastingsは、Seeking Alpha上のブログ記事…完全な公開記事で非常に詳細できわめて異例な記事…で、Netflixの将来性を擁護した。この記事は、特定の空売り人物Whitney Tilsonが先週書いたNetflixの将来を悲観する論への反論になっている。この、たった一人の空売り屋への反論を通じてHastingsは、市場全体の同社に対する揺動に応え、かなり説得力のある議論を展開している。
Tilsonは、いくつかの懸念を挙げている。最近NetflixのCFOが辞めたこと。ストリーミングビデオにおける市場の飽和と競争の激化に伴う経営不安。などなど。Hastingsはこう応ずる: “これらの問題の一つか二つ正しいだけでも、Tilsonは2011年にNetflixの空売りで儲けることができるだろう。しかし、私の見るところ、正しいものは何一つない”
Hastingsは、空売りに走る人たちの主張に、次々と反論していく(空売りとは現在価格による先物売りのことで、未来の現物引き渡し期日に値が下がっていれば…その差額で…大儲けできる)。それらを要約すると、次のようになるだろう:
- CFOが辞めたのは、近い将来に自分がCEOになる可能性がないから。
- First Sale Doctrine*が批判されているが、それは2011年にも変わらないだろう。Netflixのビデオストリーミングビジネスは急成長しているから、それ(FSD)がDVDの仕入れコストに何らかの影響を与えるようになったとしても、その時点では…少々高くなっても…もう問題にならない。
- インターネットの帯域の価格は、下落を続ける。ISPたちがコンテンツプロバイダにデータ料金を課金したくても、それは2011年には実現しない。
- Netflixがメディア企業やコンテンツのオーナーに支払う額の増加とともに、フリーキャッシュフローは影響を受けるが、それは今では、1会計年度の大きな影響ではなく、四半期ごとの調整可能な影響になっている。
- インターネット上のストリーミングビデオの市場の飽和は、まだ現実の問題ではない。需要がいまだに伸びているからだ。
- “コンテンツが貧弱”という批判は、Netflixの提供物に対する会員たちの貪欲な食欲を見るかぎり、あたっていない。ただしもちろん、提供する映画やテレビ番組の充実には、たえず努めている。
- コンテンツの費用は上昇しているが、視聴者のストリーミングへの移行に伴い郵便費用は下落している。
- 必要に応じNetflixは、利益確保よりも成長のための投資を優先する。”Netflixの経営陣は主に利益をコントロールし、成長には手を着けていない”。
- ストリーミングビデオにおけるNetflixの競合他社は増え続けているが、規模とブランド力ではNetflixが今でも優位だ。
- TV Everywhereは、長期的には脅威になるかもしれない。でもそれは、どちらかと言うとケーブル業界の防衛的行為であり、新たな積極的な利益創出エンジンとは言えない。
- 世界進出は、短期的には利益に影響するだろう。
〔*: First Sale Doctrine(FSD), それを買った人は、それを人に有料で貸すのも見せるのも自由、という米国著作権法の規定。Netflixの現在のビジネスの成立根拠。〕
Netflixは当然、ストリーミングビデオへの移行に大きく賭けているわけだが、DVDを借りたり買ったりせずにストリーミングで視聴する会員が増えれば、郵送費は減っていく。しかしその反面、コンテンツのオーナーたちはストリーミングの権利料金を上げようとする。Hastingsはこの点で、ストリーミングサービスの過剰説が要らざる心配だと考えている:
ストリーミングは急速に成長している。Hulu、YouTube、Netflixなどの成長率は、きわめて大きい。消費者層におけるストリーミングの採用は、S字カーブを描く。そして現在は、そのカーブの最初の加速部分だ。Netflixのストリーミングへの進出以来、その正味の会員数は、2008年に190万増加し、2009年には290万の増加、そして今年の新規増加数は推定で700万を超える。いずれ飽和が訪れるにせよ、ここ数年の加速度的会員増を見るかぎり、ストリーミング業界全体としても、短期的には飽和はありえない。
新たな大型の競合他社によって、Netflixのトップの座がおびやかされることは、ありえるだろう。しかしHastingsによれば、有料会員数や、新会員の獲得費用の点で、Netflixは大きな競争的有利性を有している:
競合他社が弊社の成長を実際に抑えるためには、いくつかの差別化要因を持っていなければならない(価格、新規コンテンツ、統合化など)。またサービスのマーケティングも、効果的でなければならない。短期的な空売りを支える理論は、コンテンツとマーケティングが共にすさまじく強力な、大型競合他社の出現を、それのみを、論拠としているが、それが2011年に現れるとは誰も思っていない。
弊社の競合他社にとっての参入バリア/競合バリアは、弊社のブランド力と、会員たちが弊社への好評を広めてくれる点にある。弊社の会員の大部分が、Netflixを利用してハッピーであると感じ、友人たちにNetflixのことを話す。したがって、弊社が100万の新規会員を獲得するための費用は、競合他社に比べて低い。したがって、各年の増加数も、弊社のほうが大きい。
ストリーミングで提供する映画やテレビ番組の質について、Hastingsはこう言う:
. . . 月7ドル99セントの会費で、消費者たちはぜいたくを期待しない。DirecTV(DTV)の、Netflixたたきの広告も、その点を誤解している。Netflixのコンテンツが貧弱、と言うのだが、月80ドルのサービスが、月8ドル足らずのサービスをたたいてそんなことを言ったって、しょうがないじゃないか。しかも月8ドル足らずのサービスは、消費者の評判も良く、より高速に成長しているのだ。
さて、最大の問いは、Netflix、Hulu Plus、YouTube、Google TVなどなどインターネットビデオサービスの連合軍が、ある日、ケーブルテレビを駆逐するのか、だ。そして、そのとき連合軍の費用は、今消費者がケーブルに払っている月80ドルから上よりも、安いのか高いのか。しかし、忘れてならないのは、今すでに消費者たちはNetflixに会費を払っていることだ。これが、Hastingの主張に説得性を持たせている。
今後の株価の推移は、また全然別の問題だ。今、一株178ドルだけど、あなたなら買うか、それとも、空売りするか、どっちかな?
〔訳注: 原文のコメントも、おもしろいです。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


