"Appleは悪だ, iPadをボイコットせよ!"という記事をiPadで読まされた

まただよ。
数週間前にも、「Appleは悪」という記事を載せた。iPadやiPhoneを動かしているかなりクローズドなシステムが、社会にとって有害だ、と。本誌としては、載せない理由はなかった。そして今夜も、似たような記事が。いや、それはもしかして、前のとは全然違うのかもしれない。それはどうでもいいが、重要なのは、Appleがクローズドだという説だ! クローズドだってさ! その帝国は、いつ崩壊してもおかしくないのだ、と。
今夜(米国時間1/31)のThe New York Timesの記事は、Appleが“App Storeの締め付けをさらに強くしている”と報じている。どういうこと? どうやらAppleは、Sonyのeブックリーダーのアプリケーションを拒否したらしい。以下が、その大げさな記事の核心部分だ:
同社はSonyも含む一部のアプリケーションデベロッパに対して、これからは自分のアプリケーション内でコンテンツ、たとえばeブックなどを、売ってはならないし、また、顧客に彼らがApp Storeの外で買った購入物にアクセスさせてはならない、と告げた。
Sonyのeリーダーは誰も気にしないが、みんながいち早く飛びついたのはKindleに関する部分だ。つまり、iPad上のKindleアプリケーションは死んだということ? 本誌のJason Kincaidも、今朝の記事に書いている: “正確な記事にするためには、見出しはたとえば「Appleはそのクローズドなプラットホームのマイナス面をあらためて露呈した」にすべきだった。まったく、なんだかいやらしい話になってきたね。“
でも、事実はこうだ: このようなアプリケーションは元々最初から、アプリケーション内でコンテンツを売ることを許されていない。だからAmazonのKindleアプリケーションはユーザをWebに放り込んで、そこで買わせる。今日何かが急に変わったわけではない。
ただし、KindleアプリケーションがiTunesの外(Amazon)で買ったコンテンツを認識することを、Appleがブロックするのなら、それはポリシーの変更かもしれない。そうなら、たしかに、困ったことだ。でも、本当にそうなのか、よく分からない。もう一度、NYTを引用してみよう: “AppleはSonyのiPhoneアプリケーションを拒絶した。そのアプリケーションは、人びとがSony Reader Storeでeブックを買って読むためのものだ”。Appleは、Sonyがユーザにそのアプリケーションからeブックを買わせようとしたから拒絶したのか?(それは上述のように元々からのポリシーだが)。あるいは、アプリケーションの外で買ったeブックへのアクセスができるから、拒絶したのか? どっちなんだ。
記事の最後のほうでNYTはより具体的に、このポリシー変更によりAmazonのKindleアプリケーションが影響を”受けるかもしれない”、と書いている。でも、ポリシーが”変わるのなら”という仮定法の言い方だし、Sonyの社長の話はあるが、AppleやAmazonの人の話はまったくない。
それにしても、もっと大きなことをみんな見忘れてるんじゃないか。AppleがiBookstoreに本気なら、厳しく出るのも当然だ。今は、Kindleアプリケーションの中では本を買えない。その理由は、たぶん二つある。まず、iTunesで買わないものにはAppleは30%の利ざやを取れない。第二に、eブックの品揃えではAppleはAmazonにかなわない。ユーザがKindleアプリケーション内でAmazonの本を買えたら、自分の製品の足を引っ張ることになる。だから、Appleのポリシーは悪ではなく、ビジネスだ。
AppleはAmazonやSonyなどに、アプリケーション内で買うならiTunesから、と強制できるかもしれない。FacebookがアプリケーションのデベロッパにFacebookクレジットの使用を強制しているように。いや、実際にiTunesの次の改版では、コンテンツの有料購読制などと並んで、そういうことをAppleはやらかすかもしれない。ただし、AmazonはAppleに30%の上納金を納めるかな? それは、ないね。
ということは、その線は弱い。ありえない。
Sonyの声明文は、eブック商売があまり芳しくないから、iPadの成功にあやかりたい、と言ってるようにも読める。しかし、Sonyの本をKindleで売りたいという話ではない。Kindleはあくまでも、Amazonが自社の製品を運ぶ船だ。SonyのeブックをKindleが売ってくれなくても、誰もAmazonは悪だとは言わない。
でも、以上のような、より大きな視点は、この記事の最初の冗談に回帰する。Appleはわりとクローズドなシステムであり、だから”悪”だ、と言いたい欲求が、世の中のどこかにある。でも現実はもちろん、それは悪ではない。じゃあそれは何だ? それは、実証済みの良好なビジネスだ。というか、歴史上もっとも成功したビジネスモデルの一つだろう。だからやっぱり、要するにそれは、単なるApple批判のためのApple批判にすぎない。
一般大衆は、オープン対クローズドなんて知らないし知りたくもない。また、実際にアプリケーションを作っているデベロッパたちも、同様だ。しかし、マスコミはつねにネタに飢えている。でも、こんなのはもうたくさん。こんな記事をiPadの上で読むと、よけい腹が立つね。
Appleは昨年、わずか8か月で1500万台のiPadを売った。そんな製品が、今年急にだめになると、本当に信じているの? 一般大衆が、こんなこと言うかな?: “SonyのeリーダーアプリケーションがOKなら、iPadを買いたいんだけどねぇ…。こんちきしょー”。
[写真: flickr/atmasphere]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


