Google Booksに関する著作権者との調停が法廷で否決: オプトインにすべきだと

連邦判事Denny Chinは、Googleと著作物コンテンツの作者たちとのあいだの 調停(ないし”和解”)の合法性を否定した。判決の趣旨は、そこに提案されている1億2500万ドルの協約(その議論は2009年にさかのぼる)の適用対象が広すぎて、孤児作品など今後問題になりうる作品の扱いが過剰に恣意的である、というもの。協約によって数百万の書籍が、絶版本も含めてオンライン化されるが、しかしChinの示唆では、合意の性質(オプトインではなくてオプトアウト)がGoogleの”とりあえずスキャンする、許可は後から”主義に対して許容的にすぎ、いわば企業に対して不法行為を奨励することになる。企業の不法行為の黙認は、今日ではかなり一般的だと思うが、ここでのChinの意図は真剣なものだろう。
Chinによる判決の概要は:
書籍のデジタル化と普遍的な〔誰にも利用できる〕デジタル図書館の製作は、多くの人びとの利益と思われるが、現行のASA〔修正和解契約〕はあまりにも行きすぎである。というよりむしろ、このASAはGoogleに大きな競争上の優位性を与え、著作権のある作品を無差別に無許可でコピーすることを黙認してしまう。その際、この訴件に明示的に現れていない権利が主張されることもありうるだろう。
次のようにいっても差し支えないと思うが、この調停は方向性は正しいとしても、同時にまた、新しい領域に対する未熟なその場しのぎの決定(frontier justice, 開拓地の正義)という感触を有している。まず、Googleという一私企業が唯一のリーズナブルなパートナーとされていること、Googleがこの情報の唯一の現実のプロバイダであり、Googleが書籍のオンライン配布におけるデファクトのデフォルトとされている(AmazonのBezosはまさにこの点が問題だと考えている)。Googleの作業が今浸っている法的なグレーゾーンを合法化することは、いかがわしい先例を残すことになる。
Chinは著作権に対する懸念も表明しているが、その点に関してはASAに提案されているポリシーが十分にリーズナブルである:
Googleは絶版ではない書籍を、その書籍の権利保有者からの明確な事前の許可を得てからでないと表示してはならない。本ASAはGoogleに、絶版でない本の非表示利用を行う権利を与える(ASA § 3.4)。Googleは絶版本をそれの権利保有者からの事前の明確な許可なく表示してよいが、その権利は権利保有者がGoogleに停止を指示したときに終了する。
AmazonとMicrosoftの指摘では(判事の異議申し立てにもあるように)、この調停を認めると、権利保有者の同意なく著作権の大量転移が起きることになり、このような行きすぎた著作権行為を議会に対して禁じている法にも抵触する。このような調停は、今それがどれだけ理にかなっているように見えても、(Google Booksのようなサービスをも対象として)今後著作権法の本格的な改訂が行われたときには、信じがたいほど近視眼的と見なされるであろうことは、議論の余地がない。司法積極主義(judicial activism)が歓迎される場面もないわけではないが、今回判事がこの訴件をその機会としなかったことは、これが世界中で影響を受ける人が数百万にも達する大きな訴件であることを考えると、むしろ当然である*。〔*: このfrontier justiceをChinがOKしたら、それは彼の”司法積極主義”の発揮ということになる。〕
オプトインからオプトアウト型に変えることが、この件の特効薬のように見える。しかしそうすると、Googleにとって面倒なことになる。しかし現行のままでは関係者である権利保有者の負担が大きい。この訴訟の中心的推進者でもある権利保有者たちは、それが実効するために必要なあらゆるレベルの責任をGoogleが負うものと想定しているのだ。はたしてGoogleはどうか? 時間だけがどんどん経っていく今このとき、ほとんどの本をすでにスキャンしてしまった(それは善意ではあるが違法)というGoogleの持つ優位性も、減価しつつある。
以下は、判決の全文だ:
Chinが、この種のシステムの将来的な利点を認めつつも、倫理的かつ技術的な理由で反対している、その細心さを嬉しく思う。これまでの判事たちとは、ずいぶん違うね。Googleやそのほかの関係者からの、この判決に対する、幻滅以外の公式の反応が出たら、この記事をアップデートしよう。
Devin Coldewey (“cold-away”のように発音)はフリーのライターで写真家、シアトルに住む。彼の個人的なWebサイトはcoldewey.cc、メールアドレスはdevin at crunchgear dot comだ。[原文へ]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


