ポール・グレアム、Y Combinator出資スタートアップの会社総額は47億ドルと明かす

先週のTechCrunch Disruptカンファレンスで、Y Combinatorの共同ファウンダー、Paul Grahamはベテラン・ニュースキャスター、Charlie Roseと対談した。 そこでGrahamはY Combinator創立前後の事情やスタートアップに投資を決める際、相手のどこに着目するのかなどについて突っ込んだ話をした。

またこの対談中、GrahamはYC出資企業の企業価値総額は$3B(30億ドル)くらいだろうと述べた。これに対してYCの投資総額はわずか$5M(500万ドル)だという(YCの投資は平均して一回あたり1万5000ドル程度)。つまり一言でいえばYCは大成功ということだ。

今日(米国時間6/1)、GrahamはY Combinatorの実績についてもっと詳しい記事を書いた。それによると、投資企業の総額はさらに大きく、トップ21社の企業価値総額はなんと$4.7B(47億ドル)にも上るという。平均するとYCが出資したスタートアップの価値は$22.4M(2240万ドル)となる。

もちろん、Y Combinatorの資産が47億ドルになったというわけではない。YCは通常、投資先スタートアップの2-10%の株式を取得するだけだし、その持株もスタートアップが大型増資に成功すれば希薄化される。それでもYCが超優良スタートアップ何社かの相当数の株式を保有していることには変わりない。

Grahamはこの投資の内訳についても説明している。Y Combinatorはこれまでに316社のスタートアップに投資してきた。この会社数には現在開始されたこの夏のラウンドを含むが、企業価値の計算では1年以内に投資が行われた会社を含めていない。その理由は、前回のラウンドで投資が行われたスタートアップのほとんどはまだ企業価値の評価が行われていないからだという。YCは各社に15万ドルの転換ローンを含むスタート資金を提供している〔ので、その多くはまだ株式に転換されていない〕。またGrahamはYC出資スタートアップの上位10%だけを計算の対象としている。これは企業価値の分布にばらつきが大きいからだ。たとえばDropboxやAirbnbの企業価値は下位のスタートアップ数十社を合計したより大きい。

さらにGrahamはこうした数字はすべて推定であり、暫定的なもので、実情とはかけ離れている可能性さえあると強調する。

ここでの真の教訓は、ベンチャー投資ビジネスにおいては実績を正しく評価するのに非常に長い時間がかかるという点だ。われわれがこの分野に参入してから6年になるが、こうした〔実績の推計〕数字は、プラスにもマイナスにも3倍もかけ違っている可能性が十分にある。スタートアップの業績はきわめて予測が困難だ。ましてそれらのスタートアップへの投資者の業績を予測することは2倍も難しい。一度大成功を収めたとしても、それを繰り返せるかどうかは分からない。投資家は単に運がよかっただけかもしれない。6年が経っても、「われわれの業績は、これまでの数字を見るかぎり、希望が持てるようだ」としか言えない。

Grahamの元記事はこちら。TechCrunch DisruptでのOffice Hoursイベント(ビデオ)は、今回のカンファレンスで私の一番のお気に入りだ。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01)