オンラインのアンケート/投票ウィジェットという激戦区に打って出た若きスタートアップの物語

スタートアップであることは、無防備で弱い立場だ。自分では良い製品を作ったと思っている。かなり、革新的な製品でもある。でも、同じものを作った人がほかにもいるかもしれない。大企業や資金力のあるスタートアップなどが、そんな製品でマーケティング攻勢を仕掛けてくれば、もうだめだ。資金は自己資金だけ、ユーザからのフィードバックだけを頼りに、改良を重ねていく。そしてユーザ数が自然に増えて、ビジネスとして安定することを期待する。新人スタートアップは、ほんとに弱い立場だ。
つまり、スタートアップが最初に持っているのは、期待と希望だけだ。インディアナ州出身の23歳のデザイナーMax Yoderの場合も、まさにそれだ。インディアナポリスの自分の寝室でスタートアップを立ち上げたYoderは、最近大学を出たばかり。そのあとCompendiumで働きながらスタートアップやメディアソフトウェアについて学び、学生ローンを返済していった。そして昨年はOrr Entrepreneurship Fellowに選ばれ、その後今日までの7か月間、自分のスタートアップをこつこつ作ってきた。
Yoderが作ったQuipol(”クィポル”と発音)は、まだベータだが、ユーザが自分のブログやWebページなどに簡単なアンケートを埋め込めるウィジェットだ。彼はそのために、HTML5と CSS3とRuby on Railsを駆使し、Responsive Design(画面のサイズ/形状に応じてレイアウトが自動的に最適化される)も勉強したが、でも、ユーザの反応を知るためのこんな簡易アンケートウィジェットは、すでに競合製品が多量にある。つまりアイデアとしては、二番煎じ三番煎じだ。
たとえば、GoPollGoという優れたサイトがある(情報開示: ファウンダのBen Schaechterは以前、TechCrunchのデベロッパだった、今でもぼくの友人だ)。このサービスを使うとリアルタイムのアンケートを作れるし、Twitterとの統合ぶりが深い。そのほか、Poll Authority、Poll Everywhere、Precision Polling (Survey Monkeyが買収)、PollDaddy(WordPressが利用)などなどが有名だ。
また、単独の製品だけでなく、主なCMS製品にもそんな機能はある〔CMSとは〕。でもYoderは、これらの既存製品に負けないと信じているし、 DisqusやLivefyreのようなコメントシステムとも互角に戦えると思っている。彼がそう信ずる理由は、Quipolのデザインがシンプルであることと、どんなサイトでも使えること(面倒な使用条件/制限がない)。たしかに、デザインはとてもいいし、また既存製品との差別化にも努力している。
Quipolを埋め込めるのは、Wordpress.org、Tumblr、Squarespace、Bloggerなどなど、何でもいいし、PosterousやFacebookなどに対しては、ソーシャルなコメントシステムとして使える。つまりこれらのソーシャルサイトの上には、コメントや投票のシステムはすでにあるが、ほかのサイトで書いたコメントをFacebookなどで共有したかったら、Quipol.comがその面倒を見てくれるのだ。ただし、ベータの現段階では、Quipol側の、これらSNSのAPIの使い方に、やや問題があるようだ。Yoder曰く、今それを直し中です。
また、現状のQuipolにはカスタマイズのためのオプションがない。400×600のフォームがあるだけだ。この部分も、今Yoderが拡張中–ユーザからのフィードバックも、この点に集中している。でも、基本機能の部分は、なかなか良くできてるとぼくは感じた。コメントはFacebookやTwitterの認証を使ってスパムを防ぐ。FacebookやTwitterとのリンクは、単純なYES/NOの投票方式だ。それで不満な場合は、ふつうのコメントも書ける。
ユーザの投票やコメントの結果は、サイトのアドミンがモニタできる。一般の読者も、投票しなければQuipolの結果を見られるし、アドミンには結果の分析データも提供される。ユーザがこのサイトに何を望んでいるのか…それが分かる分析機能は、もっともっと充実してほしい。今後の計画としては、YouTubeやVimeoのビデオを埋め込みたい、とYoderは言う。それはたとえば、 こんなウィジェットになるだろう(最下部はYES/NOの投票)。
単純なツールだけど、本職がデザイナーだけに製品の仕上がりは立派だ。問題は、今後ビジネスとして自立できるのか、それとも、どこか大きなところの一部門になったほうがよいか。Quipolがいちばん似合っているのは、質問と記事内容とのなじみの良いブログのようだ。ブロガーが自然に、読者とコミュニケーションし、読者を増やせるだろう。なお、Yoderによれば、’ブロガーが自分のオーディエンスを増やす’の部分は、Quipolの、Facebook等とのソーシャルな統合機能で可能だ、という。
そうか、その機能もブログにぴったりだね。
[以下はこの記事の著者(Empson)が埋め込んだQuipolウィジェット]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


