カーマイン・ガロ、「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン/イノベーション」の著者に聞く(TCTV)
アメリカ人がパリの聴衆をあっと言わせるのは難しい。しかし今月始め、Le Webカンファレンスでコミュニケーション・コンサルタントであり、ベストセラー・ノンフィクションの著者であるカーマイン・ガロがスティーブ・ジョブズのイノベーションの秘密を解き明かすすばらしいレクチャーでフランス人聴衆を魅了した。しかしなんであれLoicがやれることならTechCrunchTVはその倍もうまくやれなくてはいけない。というわけでカーマインをサンフランシスコのわれわれのスタジオに招き、スティーブ・ジョブズのプレゼンとイノベーションの秘密について話を聞いてみた。
ご存知のとおりカーマインはスティーブ・ジョブズ-驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則(日経BP)とスティーブ・ジョブズ-驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則(日経BP)の著者だ。
カーマインはおそらくジョブズの伝記の著者、ウォルター・アイザックソンと並んでAppleという会社への洞察が深いだろう。ジョブズ個人のさまざまなエピソードに詳しいのはアイザックソンだろうが、カーマイン・ガロの専門はジョブズの創造性の理解だ。
ガロによれば、ジョブズのもっとも本質的な強さは単なるプロダクトを消費者の夢に転化する能力だったという。ガロによればこれだけは誰にも真似ができない才能だった。夢を売るためには情熱が必要だ。商品を夢に転化するには自分が夢を追求する人でなければならない。
ガロへのインタビューは2部構成で、次回はFoursquareの魅力について聞く。
〔日本版〕 ガロの話の一部を以下に要約して紹介。
私(ガロ)はプレゼンの助言をする際、「あなたが本当に情熱を傾けているのは何ですか?」と尋ねる。ジョブズはAppleに復帰する際に「世界はAppleがあった方がよい場所になる」とその夢を語った。顧客の体験、ひいては世界をよりよい場所にするために自分に何ができるか、というレベルで考えよ。
私が以前スターバックスのファウンダー、ハワード・シュルツにインタビューした際に、シュルツは一言もコーヒーという言葉を口にしなかったので驚いた。シュルツは「われわれが売るのはスターバックスという顧客体験だ。コーヒーはたまたまその媒介をする商品にすぎない」と語ったことに強い感銘を受けた。
ジョブズはAppleストアを開設する際に「どうやったらApple製品が売れるか?」とは考えず「どうやったらAppleユーザーの体験を改善できるか?」と考えた。これが「夢を売る」ことの重要な要素だ。現在成功しているさまざまな消費者向けビジネスはAppleの「夢を売る」戦略に非常に強く影響されている。
原子力科学者の議会へのプレゼンを手助けしたことがあるが、その場合も「このプロジェクトによって相手(アメリカ)にはどういう利益が得られるなるのか」を具体的に説くするという原則は有効だった。重要なのは相手の立場に立って、相手のメリットを考えることだ。このコミュニケーションの技術と原則はどんなシチュエーションでも変わらない。
諸悪の根源のように言われるパワーポイントだが、ジョブズはプレゼンにキーノートを使ったが、キーノートでもパワーポイントでもできることにそう差はない。問題はあくまで使い方だ。ほとんどのパワーポイント・ユーザーは1枚のスライドに情報を詰め込み過ぎている。視聴者が消化できる情報はきわめて少ない。一枚のスライドには一つの絵と数語だけに圧縮するよう努力せよ。
ジョブズは自然にプレゼンをしているように見える。だがジョブズは一つのプレゼンを仕上げるのにときには4時間もぶっつづけで練習した。飛行機の中でスライドをざっと見なおしただけでよいプレゼンをするのは無理だ。練習あるのみ。
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(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+)


