Google+の検索連動は上場を控えたFacebookを反トラスト法調査に巻き込む巧妙な戦略?

Googleがソーシャルネットワークの主要プレイヤーであるFacebookやTwitterを無視してGoogle+を強引に検索に連動させた理由についての議論が賑やかだが、ここで私なりの考えを述べてみよう。 この状況は反トラスト法調査を呼び起こす可能性を強く感じさせるものとなっている。GoogleはFacebookやTwitterの公開情報をGoogle+と同様Google検索に反映させることができたはずなのにそうしなかった。しかもGoogle検索は検索マーケットで支配的なシェアを保有している。
Googleはこれまで何度も反トラスト法に基づく調査の対象になったことがあり、もちろんこうした事情をよく知ってしているはずだ。
それならGoogleはなぜあえて批判を浴びることが分かっている道を選んだのか? もしかするとアメリカ司法省が行動を起こすのを望んでいるのではないか? 説明しよう。
上場を控えたFacebookを一気に守勢」に回らせるような検索市場とソーシャル・サービス市場を一体としてアメリカ政府に調査させるという遠大な計画があるのかもしれない。
Facebookはこれまで一貫して一部のデベロッパーやパートナーを優遇してきたが、司法当局はこれを特に問題としてこなかった。たとえばFacebookは特定のお気に入りの相手について、発信された記事をニュースフィードに優先的に流したり、ユーザーにうるさく通知したり登録を要請したりするスパムまがいの行為にも目をつぶったり、システム変更に関する重要情報をいち早く知らせたりしてきた。 Causes、Spotify、Zynga、大口広告主、Microsoftのようは重要提携先は何年にもわたってFacebookからこうした特別待遇を受けてきた。
検索に関してはFacebookはMicrosoftのBingとGoogleとGoogle+どころではない密接な関係を結んでいる。BingはFacebook.comドメイン内で機能する唯一のサードパーティー検索エンジンだ。またFacebookはBingに対して個別の「いいね!」情報を含む追加情報を提供している。こうした情報からGoogleは完全に締め出されている。
というわけで、もし当局の調査が始まったらGoogleが次のように論じることは容易に想像できる(以下の議論はもちろん、私の創作でありGoogleにせよ誰にせよ実際にそう主張しているわけではない)。「われわれGoogleはソーシャルネットワーク市場で明らかに支配的シェアを有する企業と競争をしています。その企業〔Facebook〕はわれわれの最大のライバル企業〔Microsoft〕と戦略的提携関係を結んでいます。この提携はわれわれの検索エンジンの情報収集を妨害することを明示的に目的としています。これらの活動はわれわれがGoogle+を検索対象に含めたことよりもはるかに不公正な競争手段であります。われわれを規制するなら、同時に彼らも規制するよう要求します。そうでなきゃほっといてくれ」。
Googleとしては政府(ユーザーやジャーナリストは言うまでもないが)からあれこれ文句を言われても、最後に主要ライバル2社を反トラスト法問題に巻き込むことができれば大勝利だ。Facebookはこれまで一度も反トラスト法調査の対象になったことがない。株式上場を控えたこの時期にわずかでもそのようなリスクがあると判明すれば、投資家の心理に冷水を浴びせることになる。
いささか過激かつワシントンのインサイダー的に過ぎる競争戦略だろうか? たぶんそうだろう。しかしGoogleは背後にFacebookの足音が迫ってくるのをここしばらく聞いていた。脅威があるとなればあらゆる手段で戦うのが企業というものだ。
以上の仮説は同時に、Twitterが公にGoogleを不公正だと非難したのに、なぜFacebookが私の取材に対して「ノーコメント」と言ったか、その理由も説明する。
しかし政府の介入を招く前に、GoogleはFacebookに対して妥協案をいつでも提出できる立場にある。たとえば、「われわれにBingと同様のアクセスを許可してくれれば、G+と同等の扱いで検索結果に含めることにしてもよい」。
ただしBingの市場シェアは支配的というには遠い。またFacebookがBingに対して支配的影響力を持っているともいえない。Googleが以上のような議論を展開しても司法省がそれを真剣に受け取るかどうかは別問題だ。なるほどFacebookは明日のGoogleかもしれないが―Googleは現在のGoogleだ。
しかしGoogleはそういったことを承知のうえで、何をするにも時間がかかる政府が重い腰を上げて調査にかかる前にどれだけの既成事実を作れるか試しているという可能性もある。
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(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+)


