この本を盗め!
誰も自分のモデルが時代遅れだとは言われたくない。Kodakに聞いてみるとよい。あるいは映画業界に。そして、出版業界はおよそ誰よりも動きが鈍い。書店は、電子書籍とAmazonによっていずれ事業規模が75%縮小することを信じようとしない(私は電子書籍の市場シェアは最終的に50%以上のどこかで停滞するとみている)。一方出版社は、読者が本を、読み終る前に、一冊ずつ購入するというモデルに固執している。そのモデルはあまりにも凝り固まっていて、多くの人々が他に選択肢があることを信じられないようだ。
私がそうしたイマジネーションの欠如を当コラムで嘆くようになってしばらく時間が過ぎた。出版社が、購読モデルに関するいかなる提案に対しても的外れな非難を浴びせるのはそのためだ。しかし私は、出版のビジネスモデルが最終的にもっと制約の少ないものになるであろうことも、5年間言い続けている。 今から何十年か先、殆どの本が ― そして殆どの小説が ― 無料で読めるようになり、読者はそれにいくら払うかを読んだ〈後〉に決めるようになるだろう。
大言壮語で行動が伴わないって? それでは、
先月、私のテクノスリラー『Invisible Armies』の権利がついに私の手に戻った。私のスリラーの中でもお気に入りの一つで、The Economist、Bruce Sterling他多くの称賛を浴びた作品だ ― そして私はこの本と、その続編とも言えるSwarm1を、クイエイティブ・コモンズのライセンス下で無料ネット配信し始めた。Feedbooksから、好みのデバイスにダウンロードできる(ちなみに、ここはすばらしいサイトだ。Androidユーザーへ:超人気の電子書籍リーダーのAldikoは、Feedbooks対応しているアプリの一つだ)。
リンク:Invisible Armies、Swarm.
(Kindleユーザーの中には手動ダウンロードが必要な人もいるかもしれない。残念。文句はAmazonに言ってほしい)。
これらの本を読んだ後でお金を払ってもいいと思った人は、iBooksまたはKindle Store2で電子書籍を購入できる(私は意識的にどちらへもリンクを貼っていない)。随分と不細工な方法なのはわかっている。私はいずれ電子書籍の最終ページに「お好きな金額を払ってください」インターフェースが付くようになることを期待している。しかし、まずは始めることが大事だ。
もちろん、著書を無料で配るのは私が最初でも何でもない。Baen Free Libraryは何年も前からある。Tim O’Reillyはこう言っている。「私の経験では、海賊行為による損失よりも、情報の流れの自由化による利益の方がはるかに大きい。それが世界をより豊かし、本物のコンテンツのための新しい市場を拓く」。そしてもちろん、Cory Doctorowは、全作品について当初からこれを行っている。
しかしCoryは一種独特の存在だ。本当の試練は、何百、何千人という著作家が ― とりわけ、私のように、以前全能の恐竜たる出版業界から本物の著作者として選定された作家が ― やり始めるかどうかだ。そして、これはそこに至るための小さな一歩だ。どこまで行けるか、やってみようじゃないか。、
1Invisible Armiesはハッカー、反企業活動家、グローバリゼーション、および奴隷社会がテーマ。Swarmは無人飛行戦隊が悪の手に渡る話。
2未だにHarperCollinsが電子出版権を保持しているカナダを除く。国際出版権全体が壮大な混乱状態にあり、当分収まりそうにない。
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(翻訳:Nob Takahashi)


