モバイルアプリの“無料”にはプライバシーという費用が伴う–ケンブリッジ大学が対策を提案

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ソーシャルネットワークや一部のモバイルアプリなど、無料のサービスにつきまとうプライバシーの問題について、こんなことを言う人たちもいる: サービスが無料なら、ユーザが製品だ。だから、そのビジネスモデルの一環としてユーザの情報が“売られて”いても意外ではない。それが、いわゆる、無料の“目に見えないコスト”なのだ。

しかし、もしそうなら、それは気持ちの悪い状況でもあるので、イギリスのケンブリッジ大学の研究者たちが対策を提案している。そして彼らは、研究努力の一環として、アプリケーションが行うデータ収集に関する、興味深い事実を明らかにしている。

アプリがユーザ情報をどのように共有しているか、それを知るためにはアプリストアが恰好の窓口だろう。研究者たちはAndroid Marketを対象として、このストアの無料と有料のアプリを分析するためのAPIを作った。それを使って25万あまりのアプリを調べたところ、アプリの73%が無料で、さらにその80%がメインのビジネスモデルとしてターゲット広告*に依存していることが分かった。〔*: targeted advertising, ターゲットの特性に合わせた広告…個人情報を必要とする。〕

ターゲット広告を使っているアプリの70%は、アプリそのものとは無関係なデータを集めている。

ダウンロード数に見るアプリの人気は無料アプリが圧倒的に高く、有料アプリは100回以上ダウンロードされたものがわずかに20%、10000回以上ダウンロードされた有料アプリは0.2%だ。これに対し無料アプリは、その20%以上が10000回以上ダウンロードされている。しかし、有料アプリの中にもアプリと関係のないデータを集めているものがあるようだ。: 有料アプリの40%が、アプリ自身のためには必要ない情報を集めているのである。

例をいくつか挙げると、コミックのカテゴリーでは、無料アプリの35%が、ユーザの住所をリクエストしている。ほかのカテゴリーでは、ユーザの電話番号や連絡先(アドレス帳/電話帳)を求めるゲームもある。このほか、アプリが動くためには必要のないデータを集めている例として、ユーザのメッセージ(メールやSMS)、連絡先、カレンダー、電話番号、IMEIなどへのアクセス要求がある。

しかし必要のないデータの収集を禁ずると、無料アプリの収益確保が困難になるだろう。そこでケンブリッジの研究者たちが提案するのが、アプリの情報と広告用の情報を分離して、後者は広告ネットワークが、本当に必要な情報だけをリクエストすることだ。このようなやり方を、“デカプリング(decoupling)”(非結合化)と呼ぶ。

“そうするとアプリは、広告をデータ収集の口実にできなくなる”、と研究者の一人Ilias Leontiadis博士は言う。“アプリは、自分が本当に必要とするものだけを集める”。しかもさらに、広告の表示のためにも必要のない個人情報は自動的にブロックしたらよいだろう。

彼によれば、今のやり方の問題点は、広告ネットワークに行くような情報(住所、性別など)も含めて、あらゆるデータをデベロッパが(==アプリのコードが)集めていることだ。“そしてユーザには、それがアプリのためのデータか、広告主のためのデータか、という違いが分からない。またそれらのデータの、使われ方も分からない”。

Leotiadisによれば、情報を分離する作業はアプリ本体に内蔵させたフィルタがやるといいだろう。あるいは、モバイルのプラットホームの標準装備にしてデフォルトでonになっていてもよい。Leontiadisの意見では、良いのはプラットホームが最初からこの機能をデフォルトで提供することだ。そして、いずれにしても、それをデベロッパにやらせるのは非現実的だ。この市場にデベロッパは5万人以上いるが、大手の広告ネットワークはわずか8社だ。だから、デベロッパよりも広告ネットワークをコントロールするほうが簡単だ”。

なお、ケンブリッジ大学が今回Android Marketだけを調査対象にしたのは、Leontiadisによれば、Googleがセットアップしたユーザに許可を求めるときのやり方に、問題があるからだ。許可リクエストはユーザがアプリをダウンロードするたびに出るが、ユーザは、自分が何をOKしてるのかよく分からないまま、OKをクリックしてしまうことが多い。一方Appleは、個々のダウンロードとは無関係にこれらを管理するので、追跡調査が難しい。

[画像: Flickr上のkalbusta]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))