宇宙に飛び出したAngry Birdsが大人気―発端はNASAのツイートだった

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Rovio Mobileは1年ぶりでAngry Birdsのまったく新しいバージョン、ゲーム、Angry Birds Spaceを発表した。このゲームの開発が始まったきっかけが面白い。

Angry Birds Spaceのアイディアは、1年近く前、NASAがRovioに送ったツイートから始まった。NASAは「1969年に人間を月に送ったときよりコンピュータはだいぶ進歩しているのだから、豚どもが宇宙に飛び出すようだったら、われわれが鳥たちがそれを追いかけるのを手伝ってもいいが」と言っていた(エンベッド参照)。

そして、1年後、それは実現した! シアトル名物のスペースニードル・タワーにAngry Birdsの巨大なスリングショットが飾られた〔カット写真はそれを上から見下ろしたところ〕。2週間前には宇宙飛行士が国際宇宙ステーションからAngryBirds Spaceを紹介してビデオ・ストリーミングした。しかももの新ゲームの物理シミュレーション・エンジンの開発にあたってはNASAのロケット科学者たちが協力している。

何によらず優れた思いつきを得たらすぐに実行に移す特質がRovioに今日のような大成功をもたらしたわけだが、1つだけかけているものがあるとすれば、マーケティングのノウハウだ。しかしスペース・ニードルの巨大デコレーションはなんと無料だった(T-Mobileが金を出してくれた)。

マイティー・イーグルこと最高マーケティング責任者のPeter Vesterbackaは「クレージーなアイディアだけど、何が可能で何が可能でないかなんてことはわれわれはあまり考えないんだ」と言う。

クレージーなアイディアが成功を収めているのは確かだ。Rovioはモバイル・ゲーム企業の中で背景、ビジネス・モデル、企業の所有形態などあらゆる面で異彩を放っている。Angry Birdsの成功が確固たるものになるにつれて、Rovioは収入の主要な柱をゲームの販売からキャラクターのライセンス料やグッズ、書籍の販売へと移した。アニメの短編、長編映画も制作中だ。

Rovioでは今年中にさらに4作の新しいゲームを発表しようと計画している(これには既存のAngry Birdsの他プラットフォームへの移植や、季節のスペシャル版は含まれない)。

「われわれはAngry Birdsをポップカルチャーの恒常的な要素にしたい。昨年われわれはインフラを築くことができた。今年はその上に5作の新ゲームを送り出す計画だ」”とVesterbackaは言う。

「豚を主人公にしたゲームを考えているか?」と尋ねてみたところ、Vesterbackaは「悪くないアイディアかも」と答えた。

Rovioの企業所有形態もユニークだ。基本的には家族経営で、Angry Birdsが成功する以前には52本もの失敗ゲームを作ってきた。CEO、Mikael Hedの父のKaj Hed,がRovioの株の70%近くを所有している。つまりRovioの買収は簡単にはいかない。

ただしこの父子経営には時に確執が生じることもあった。2005年には会社の成長戦略をめぐって父と意見が合わず、Mikael Hedが一時Rovioを離れたことがあった。彼は結局4年後、2009年12月に復帰してAngry Birdsの開発にとりかかった。昨年Rovioは 4200万ドルのベンチャー資金を調達したが、事情を知る関係者によるとこれによってKaj Hedの資産は大きく膨らんだという。

「われわれはKaj Hedを100%信頼している。彼はすばらしい。非常に頭が良くて戦略的だ」とVesterbackaは言う。

今年はさらにゲームのチャンネルを広げ、開発能力を高めることが課題となるだろう。去年同社は2500万個のぬいぐるみを販売した。価格は5ドルから99ドルまでさまざまだ。Rovioの総売上に占めるパーセンテージはまだ1桁だったという。

Angry Birds Spaceのローンチと同時にありとあらゆる種類のグッズが販売開始される。ナショナル・ジオグラフィックからはAngry Birdsをフィーチャーした宇宙に関する書籍が出版されるし、News Corp.のiPad雑誌The Daily はこのゲームの開発過程を紹介する特別号を出す。Angry Birds Spaceをテーマにしたアパレルやおもちゃ、携帯、スナック菓子などがWalmartの売り場を埋め尽くすことになっている。こうしたグッズの値札や箱にはゲーム攻略のヒントが隠されているのだそうだ。Vesterbackaによれば今回のローンチは「ハリウッド映画より大規模」だそうだ。

さらに100億インプレッションを誇る広告からの収入も大きい。Angry Birds Spaceのリリースでインプレッション数はさらに増加するだろう。カジュアル・モバイル・ゲームの広告料金は1000インプレッション当たり0.20ドルから0.50ドル程度と言われているから、概算で毎月200万ドルから500万ドルの収入になる。

Rovioは中国にも進出しようとしており、現在4人の社員を中国で雇っている。海賊版や脱獄スマートフォンの横行などにより、中国でモバイル・ゲームで安定した利益を上げるのは難しいとされてきた。しかしVesterbackaは楽観的だ。

「まだビジネスとして成功を収めたわけではないが、われわれは中国で一番コピーされ、愛されているブランドだ。そもそもコピーが出回っていないようだったら中国でのビジネスには希望がないと考えるべきだ。つまり興味を持たれていないという意味だからだ。AngryBirdsはLenovoのタブレットやNokiaのデバイスの多くにすでにプレインストールされている」とVesterbackaは言う。

Facebook版のAngry Birdsには月間1810万人のアクティブ・ユーザーがおり、一日当たりユーザー数では250万で、EAのSims Socialに僅差で続く2位だ(AppData調べ)。

この勢いなら宇宙へ飛び出していくのも当然か?

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)