あなたのアプリにサーバは要らないと謳うSpire.ioがインフラサービスをさらに拡大

spireio

もしもあなたの会社が、消費者対象のWebアプリケーションをいろいろ作っていて、どれもそれほど大ヒットはしないんだけど、毎回新しいのを作るたびに、それまでと同じ処理を何度も何度も書かなければならないとしたら、いいかげんうんざりしてくるだろう。そこでそんな会社の一つであるBorder Stylo(これまで、Glass、Retrollect、Trivia Togetherなどを作ってきた)は、蓄積したデベロッパのニーズに関する知識を生かして、汎用で既製品のバックエンドサービスをいろいろ作り、売り出すことにした。

そしてそのためにBorder Styloが新たに作った会社が、Spire.ioだ。同社のスローガンは、“あなたはサーバがなくてもWebアプリケーションを動かせる”だ。またそういうWebアプリのことを同社は、“サーバレスアプリ”と呼んでいる。同社が最初に作って提供を開始したのは、1月にベータを公開したリアルタイムメッセージングのモジュールとそのAPIだが、今日(米国時間5/9)はその第二弾として、Webとモバイル用の本人性(identity)サービスをリリースする。

2008年に創業したBorder Styloは約700万ドルの資金を調達して、それによりSpire.ioを立ち上げた。投資家はBorderの既存の投資家、Tagua CapitalのEric Bergasa、Francisco Ortiz Von Bismarckらだ。これまでの数年間でBorder Styloのチームは、どんなアプリの基盤にもなるインフラ的な構造を、いろいろ作ってきた。

“うちは技術力はあるんだけど、かんじんのプロダクトデザインがいまいちだったからねぇ”、とSpire.ioのCTO Dan Yoderは説明する。“やってるうちに気がついたのは、同じものを何度も何度も作ってるってこと。そこで、今後は何度も作らなくてすむように、汎用のインフラモジュールみたいなものを作ることにした。そして次に気がついたのは、‘おいおい、これ自身が立派にプロダクトじゃないか!’、ということさ。こういうものがあれば、世の中のスタートアップたちは、メッセージング、ログイン、などなどを自分で一から作らなくてすむ”。そして、“自分で苦労して金(きん)を探すより、みんなが金を見つけるために使うシャベルやピックを作ろうよ”、ということになった。

つまりSpire.ioがやってることは、バックエンドサービスプロバイダだ。そしてスローガン的には、うちを利用したらあなたは“サーバレス(サーバ不要の)アプリケーション”を作れますよ、という次第だ。

“汎用バックエンドの提供はうちだけじゃないから、世の中はサーバレスアプリケーションの時代に向かっていると思う。これからのデベロッパは、バックエンドの構築/メンテナンス/アップデートで苦労せずにすむようになる”、Spire.ioのCEO Diego Pratsはこう説明する。“競合他社は、リアルタイムメッセージングだけ、みたいな一点主義か、モバイルなどデバイス特定型が多い。でも本当にサーバレスの世界を作るためには、うちみたいにWebとモバイルの両方をサポートするべきだ”。さらに彼はこう言う、“消費者たちはアプリケーションをiPadとデスクトップの両方で同じように使いたいと思っている。彼らは、バックエンドの違いなんか気にしない。うちはアプリ企業をより多くの消費者に近づけるお手伝いをして、技術的な難題の一部をなくしてあげたい。各社のアプリケーションデベロッパは、アプリケーションそのもの、つまり消費者が得る体験の内容に集中していただきたい。ほかのことは、うちにまかせてね”。

前述のように、同社がまず、アプリ用のリアルタイム通知サービスを立ち上げたのは今年の年初で、それを利用するとチャットやコラボレーションによるエディティング、マルチプレーヤーゲームなどの開発が容易になる。そして今日同社が立ち上げる本人性サービス(アイデンティティサービス)によりデベロッパは、Webやモバイルの、ログインやユーザ登録などの部分の構築が楽になる。

“それまではJavaScriptのコードの中にAPIキーを書く方式だったが、それは誰もが容易にダウンロードできる”、とYoderは説明する。“アイデンティティのコンポーネントをアプリのユーザ登録やログインの部分に組み込む方式なら、万一のときの被害を最小化できる。だれかがユーザ登録の部分を悪用しようとしても、APIキーは盗めないから”。たしかに、Spire.ioが、うちはモバイルとWebの両方で使えると自慢するのは、こういう問題もあるからなのだね。

Spire.ioは今後、新しいサービスを数か月ごとに発表していく予定だ。今決まっているのは、データストレージとアセットマネジメント。またCDNのような、遠距離データサービングの処理モデルも手がけている。

Spire.ioのフルタイムチームは12名、すでに2年、一緒に仕事をしている。チームのほとんどはロサンゼルスだが、Pratsはサンフランシスコの RocketSpaceにいる。Dan Yoderは、サンタモニカのColoftの自宅とロスのオフィスのどちらかで仕事をする。そのほか、テキサス州オースチンとスペインにデベロッパが一人ずついる。

Spire.ioはフリーミアムで、これが料金表。関心のある方は、まずここへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))