オンライン個人教授サービスCourse Heroが家庭教師派遣業Cardinal Scholarsを買収–そのねらいは?

InstaEDUは、本格的にスケーラブルなオンデマンドの個人教授プラットホームを目指し、Course Heroは同社のオンライン教育ツールを内部的に試す方法が欲しい。そこでInstaEDUは、同社の家庭教師派遣ビジネスCardinal Scholars〔左の画像〕をCourse Heroに売ることにした(価額非公開)。
この売買によって両スタートアップは、古くさい個人教授業界をディスラプトして、KaplanやSylvanの学習塾のような経費高とおさらばし、またライブビデオを利用することによってTutor.comのようなサイトをお寒く感じさせる。
InstaEDUがCardinal Scholarsをスタンフォード大で作ったのは、バイトを必要としている優秀な学生と補習が必要なK-12の子どもたちを結びつけるためだった。しかしInstaEDUはその後オンラインビデオによる個人教授に方向転換し、プロダクト名もCardinal ScholarsからInstaEDUに変えたため、Course HeroがCardinal Scholarsのより良い里親さんになることになった。
それでも、このビジネスはシンプルだがすばらしい。学部学生はお金が要る、とくに本代が高い。しかし勉強が忙しくてフルタイムのバイトはできない。家庭教師なら時間は短いし、一流大学の学生ともなれば需要も多い。
ぼくの友だちにも、スタンフォード在学中に家庭教師をやった人は多い。時間の制約が厳しくなくて、しかも収入が良いからだ。家庭教師渡り鳥になってしまい、正式の就職が遅れた者もいる。

しかも、親は子どもの教育に熱心だ。勉強していい大学に入れば良い仕事に就ける、と信じているからだ。だからCardinal Scholarsのようなビジネスはつねに繁盛する。
Course Heroは来年、Cardinal Scholarsをベイエリアとボストンの合計100の大学で展開する予定だ。家庭教師たちはCourse Heroのオンライン教育用の各種素材を活用して、次に来るまでの宿題を与える。しかも今後は一人一人の家庭教師ためのWeb上のダッシュボードもできるから、そこから自分の生徒をモニタできる。また家庭教師の側も、Course Heroにフィードバックをもたらして製品の改良に資する。従来Course Heroには、このような生身の人間教師からのフィードバックはなかった。

Cardinal Scholarsのような人間家庭教師ビジネスには、ソフトウェアのようなスケーラビリティがない。しかしCourse HeroのCEOで協同ファウンダのAndrew Grauerは、“家庭教師の市場は今後しばらくはある。われわれはそれを、もっと良くしていきたい。それは合衆国で約70億ドル/年の市場だ”、と言っている。
SV Angelなどの投資家たちは、Sylvan、Kaplan、Kumon(公文)などのいわゆる学習塾を敵と見なしていない。Grauer曰く、“学習塾は施設、ハードウェア、教材などの経費が高すぎる。利益率はCardinal Scholarsなどの方がずっと高い”。

一方、足を土で汚す人たちがいなくなったInstaEDUのCEOで協同ファウンダAlison Johnstonは、Webカメラからの顔に集中できる。InstaEDUで勉強する子はライブのビデオチャットで先生に会う。その日程や時間は、試験などに合わせて生徒側が指定できる。
ぼくの予想では、このようなライブビデオ型のオンライン学習は将来、就職の面接試験の予行演習にも利用されるのではないだろうか。この面接に受かれば一流大企業に就職できる、となると、相当高い授業料でも払うだろうね。


