Officeのクラウド化にはMicrosoftの古めかしいライセンス方式が足かせ

今朝(米国時間7/16)Microsoftから、今度のMicrosoft Officeのガイドが送られてきた。53ページもあり、そこに書かれていない機能はまったくなさそうだ。
このドキュメントを読むと、今回Microsoftが何をせざるを得なかったかが分かる。それは、Office 365の統合だ。タッチ方式のエレガントなUIを開発すること。Metroの良いところを取り入れて、Microsoft Officeを今ふうにすること。
でもMicrosoftには、ライセンスという問題がある。複雑な問題だし、採用の障害になるかもしれない。
MicrosoftはOffice 365を、企業ユーザ向けの高度な機能を持ちつつ、一般消費者にも使えるものにしたい。でも、ライセンスという熊が立ちはだかる。今の自分の手の内をよーく検討してから、新しいOfficeのライセンス方式を決め、そのクラウド製品を真に有効なプロダクトにしなければならないだろう。
ComputerworldがMicrosoft Officeのライセンスとユーザの対応を詳説している。企業に見せる顔は:
〔*: Bring Your Own Device〕
お分かりいただけたかな?
Microsoftは、統合がシンプルになるための“無料の”サービスを提供することを渋っている。この渋り態度は、ライセンスの全構造という基本的な問題にまで達しており、そしてそれがさらに、企業ユーザ向けのクラウド製品にまで影響を及ぼしている。
その影響は、Office 365の採用の遅さに現れている。ぼくが今日会って話を聞いた企業役員は、デスクトップのMicrosoft Officeを使ったサービスを提供しているが、Office 365は使っていない。彼によるとOffice 365 は、自分たちのサービスで使うべきほどのユーザ数に達していない。しかも、Microsoftのアーキテクチャはクローズドだ。APIがないから、自分たちのサービスに統合すること自体が不可能だ。
Google Appsの機能で十分、という人が多い。そのライセンスは単純だ。ユーザ10名までは無料、それを超えると一人50ドル。もちろん、APIは公開されている。
ぼく自身も今日、Microsoft Office問題というものを体験した。Chromeブラウザで”Office Reviewer’s Guide”を開き、SharePointのファイルへ行く。ドキュメントのエディットをMicrosoft WordでやるかWord Web Appを使うかというオプションが出る。しかし後者のWebアプリのほうは、サービスに会員登録していないと使えない。Officeがライブになればこれは問題ではないが、過去のMicrosoft Officeにはまさにこれと同じ問題があったのだ。
ぼくのようなWordのWebアプリを使えない者には、こんな画面が出る:
ではMicrosoft Wordを使おう。するとこんなメッセージが:

[ごめんなさい。でもこのドキュメントを開くためには、あなたのコンピュータがMicrosoft Wordのサポートされているバージョンと、OfficeのWebアプリからの直接のファイルオープンをサポートしているブラウザを、動かしている必要があります。]
Krishnan Subramanianに質問すると、彼はこう言った:
Microsoft Officeのマーケットシェアは90%だ。その強さはその機能にある。Constellation ResearchのファウンダWangは、新しいOfficeによってMicrosoftはゲームに残る、と言う。
“Googleよりはこっちだね。ぼくがそう言った、と書いてもいいよ”、と彼は言った。
彼によるとMicrosoftは、ユーザがOffice 365とインストール済みのソフトウェアの両方を使えるように、ライセンスを一本化するそうだ。
Microsoft Officeのパワーユーザなら、その面倒をいとわないだろうけど、まあその他大勢にとってはGoogle Appsで十分だな。Microsoftがライセンス方式を全面改定したら、この記事はまったく違うお話になっただろうけどね。



