ネットワーク構造をソフトウェアで定義するNicriaをVMwareが買収–実質OpenStackコミュニティに参加
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VMwareが、‘ネットワークの構造をソフトウェアで定義する技術’で知られるNiciraを買収した。買収価額は12億6000万ドルである。この買収は、たえず革新を続けている企業向けネットワーキング市場に今後、さまざまな効果をもたらすだろう。
Niciraは5年の開発期間を経てこの2月にステルスから脱した。ネットワークの構造がソフトウェアで定義され、その変更もソフトウェアの調整で行われる、という同社の技術は、次世代のネットワーキング技術として多方面から期待されている。それは何よりもまず、データの移動の柔軟性と容易性をもたらす。それは水平的な環境でデータをスケールすることによって、垂直的なストレージ環境を良好に統合する。Niciraのソフトウェアはネットワークを実質的にIPバックプレーンに変える。物理的ネットワークの階層構造はボトルネック(局所的渋滞)を作りだす。それに対し、Nicriaはフラットなネットワークを作る。すべてのデバイスが直接スイッチに接続され、データを、そのインフラを効果的に横断して分散できるようになる。
Niciraはこれまで5000万ドルの資金を調達し、RackspaceやEBay、Fidelityなどの優良企業をクライアントに抱える。投資しているVCにはAndreessen HorowitzやLightspeed Venturesが含まれ、両社はいずれも、データセンターを変革するさまざまな技術に投資して好成績を上げている。VMwareの協同ファウンダDiane Greeneも、投資家の一人だ。
Ben Horowitzは今日(米国時間7/23)の私とのインタビューで、VMware が買ったものはネットワーキング市場の未来を定義する重要技術の一つだ、と言った。彼はこれまでNicriaの役員会の席で何度も、会社を若いうちに売ることを考えた。彼によると同社が売る決意に達したのは、VMwareの一部になることによって将来、世界最大のネットワーキング技術になれるチャンスが得られた、と考えたからだ。今後数年間における同社の技術の市場は、その規模が370〜400億ドルと予想される。
クラウドコンピューティングが、レガシーのテクノロジ企業に劣らず、VMware自身に変革をもたらしている。VMwareは今、総合的なクラウド戦略の形成という点で、新興勢力のAmazon Web ServicesやOpenStackと競合しているが、Nicraの技術はその競合圧力を緩和する要素になるだろう。ただしそのIPレベルの技術は、同社が深い関係を有しているCiscoなどの企業と競合するものでもある。
さらにまた、ある種のアイロニーもある。NiciraはOpenStackの重要な一部だ。OpenStackのネットワークインタフェイスはNiciraのAPIを使っている。そこでこれからはVMwareは、Nicriaを代理人としてOpenStackコミュニティの一員のような形になり、その状態でネットワーキング市場の長期戦に参加していくことになる。
OpenStackは、さまざまなクラウド環境のさまざまなワークロードがプールされる連邦のようなものだ。Rishidot ResearchのKrishnan Subramanianによると、CloudstackとEucalyptusとOpenStackが、そういう連邦的なエコシステムの基盤役を担うことになる。。そしてNiciraはそういう環境の中で、そのソフトウェアが定義するネットワーキングの技術により、ぴったりの役所(やくどころ)を得ることになる。
Subramanianによると、将来のクラウドを定義する要素はビッグデータとサービス環境だ。VMwareも、長期的にはそうなることを、明確に認識している。
“ネットワークをユーザのニーズに合わせてプログラミングする時代になる”、と彼は言う。
VMwareのCTO Steve Herrodによれば、同社は、未来はソフトウェアが定義するネットワーキングにある、と信じている。オーケストレーションのニーズもあるだろう。DynamicOpsを買収したのも、その意味合いからだ。VMwareが自社製品として育てたPaaSであるCloudFoundryも、未来への役を担う。Herrodはそれを、“ヘテロな環境におけるアプリケーション言語”、と呼んでいる。


