音声メッセージをメールのように非同期で送れる(しかもシンプル)VoiceGem

Arda KaraとAlexander Blessingはそれぞれ、トルコとドイツという互いにあまり共通点のなさそうな国の出身だ。でもスタンフォードのコンピュータ科学専攻の学部学生としては両人とも、共通の問題を抱えていた。故郷(くに)の家族や友だちとのコミュニケーションが、難しいのだ。
カリフォルニアとヨーロッパとでは時差が大きいので、電話やSkypeで話のできる時間を見つけることが、ほとんど不可能だ。テキスト(SMS)やメールはぬくもりがない。SocialCamやViddyを使ってモバイルのビデオメッセージを送るのは、いろいろ面倒すぎる。撮影の前にはひげを剃るとか…。
そこで二人はチームを作ってVoiceGemを開発した。WebとiPhoneを使って音声メッセージを送受するシンプルなアプリだ。VoiceGemはY Combinatorのこの夏のクラスに参加し、今日(米国時間8/2)公開ベータでロンチする。
それがすること, しないこと
VoiceGemの重要な特徴は、〜〜しないという否定文で言い表されるものが多い。費用がかからない。特殊なソフトウェアが要らない。添付ファイルを送ったり開いたりしない。国際通話の契約やカードは要らない。しかも電話番号も要らない。高品質なマイクロフォンは要らない。先方では子どもも老人も使うアプリなので、なにしろできるだけシンプルにしなければならない、と両人は言う。
使い方はこうだ: メールアドレスまたはFacebookのアカウントでVoiceGemに登録する。メッセージを受け取る人のメールアドレスをタイプする。録音(record)ボタンをクリックする。話をする(メッセージは長くても短くてもよい)。
相手はメールでリンクを受け取り、そのリンクはVoiceGemのWebサイトを指している。そしてそのサイトで、録音された音声を聞ける。聞き終わったらそのまま返事をしゃべれる。アカウントやログイン(サインイン)は要らない。
シンプルなアイデアで成功
ファウンダたちは今のところ収益化のためのプランを持っていないが、企業が顧客に対してシンプルなメッセージを残すのにも便利だ、と言っている。そういうことからビジネスモデルを作れるだろう、とは言うものの現状の彼らは、プロダクトを世に出すことで手一杯だ。
この気の利いたサービスをありがたい!と感じる人は、世の中にとても多いだろう。関係は世界中に散った家族や友人だけとは限らない。とにかく、人間的な温かさのある音声メッセージを、メールのように非同期で聞けるのがすばらしい(都合の良いときに聞けるし、電話の呼び出し音のぶしつけさもない)。こういう、小さくてシンプルで作者の頭の良さが感じられるプロダクトは、もしかしてもしかするかもしれないね。



