あなたは今日何を食べたか?–食品の原料や成分を詳細に教えるモバイルアプリINRFOOD

ノースカロライナ州からはるばるTechCrunch Disrupt San Francisco 2012にやってきたINRFOOD*は、食べ物に含まれている(ときには有害な)成分や素材を教えてくれるという、多くの人が待ち望んでいたようなアプリだ。まだブートストラップ状態(bootstrapped, 自己資本のみ)の同社は、今日のプレゼンのステージでその iOSアプリとAndroidアプリをロンチした。同社は、食べ物に気をつけなさいという昔からある教訓を、21世紀に蘇らせたいのだ。〔*: INRFOOD == In Your Food〕
ファウンダのKeval Mehtaは、“今のダイエット情報はうそと迷信のかたまりだ”、と言う。“しかも、人によって言うことが正反対だからね”。
すでに健康関連の会社をほかに2つ経営しているMehtaによると、人びとは食品を買うときカロリーだけを気にするし、マーケティングの釣り文句に簡単に引っかかる。しかしもっとも重要な成分組成は、誰も気にしない。原材料はあまりにも小さな活字で印刷されているので、あまり役に立たない。しかもその中には、発音の仕方も分からない難解な言葉もある。
そこでINRFOODは、まずユーザが最初にアプリを立ち上げたとき、IDやパスワードなどのほかに、医療的理由やライフスタイルの選択として、何かの食べ物を避けているか、とユーザに訪ねる。たとえば、甲殻類アレルギーである、妊娠中である、完全菜食主義であるなどを、アプリに知らせてやる。省略もできるが、INRFOODの有効利用のためには入力したほうがよい(後述)。
そして、ユーザが食品の名前をタイプしたり、包装製品のUPC(アメリカの統一商品コード)をスキャンしてやると、色分けされた原料表が表示される。グリーンは安全な原料、黄色は大量摂取不可、赤は避けるべき食品や薬物。そのそれぞれをタップすると、ものすごく詳しい説明文が出る。ダイエットや栄養学の専門家が、多数貢献しているのだ。その原料の起源、使われ方、健康への影響、などが分かる。またArticles/Videosタブをさわると、複数の外部情報にアクセスできる。
Mehtaによれば、“唯一のディスラプトは、事実を伝えることだ”、という。“これらの原材料について現状は、人びとが完全に無知だから”。
アプリのユーザ登録時に、たとえば小麦グルテンのアレルギーという食事制限事項を入力した場合、ユーザが問題のある食品を調べようとしたとき警告が出る。また、調べた食品の成分はデータとして保存されるので、これまで何を何回どれぐらい食べたかが分かる…それらがグラフで表示される。
INRFOODは不偏不党の中立性を心がけているので、広告をご法度にしている(“Consumer Reportsや〔食品広告に規制のある〕スイスのようでありたい”)。で、マネタイゼーション(monetization, 金を得る方法)はどうなるかというと、無料試用期間は30日、それ以降は2ドル99セントを一回だけ払う必要がある。有料ユーザになると、賞味期間警告とか、スキャンした食品の料理法など、新しい機能を利用できる。
このようなサービスの質はデータベースの質に依存するが、それに関するINRFOODの取り組みははんぱじゃない。これまでに集めた情報は、25万の食品製品に関するもの+1日に100〜150の新製品情報が加わる。原料や成分の種類数は15000。Mehtaによると、食品原料のデータベースとしては世界最大だそうだ。
INRFOODは現状でも上出来だが、Mehtaと彼のチームは満足していない。上に挙げた現状数値は、目標の5%程度だそうだ。また関連アプリとして取り組んでいるINRBODYは、スキンケア製品の成分分析をユーザに提供する。このアプリは将来的に、拡張現実(AR)アプリにしたいという。もっと大きな構想もある。INRFOODのバックエンドがユーザの年齢や性別、体重などのセグメンテーション情報(もちろん匿名)を蓄えるようにすれば、食品と健康状態に関する重要な研究用データが得られる。しかしあれもこれも、すべてはINRFOODが無事に離陸し、安定した飛行に移行してからの課題だ。







