意思決定に女性の考えを反映させたい企業は多数決でなくコンセンサスで行くべし

スタートアップも大企業も政府も、テクノロジにおける女性のリーダーシップを賞揚しているが、最近の研究によると、女性特有の気弱さは決定過程の特質によるらしい。男性の数が女性より多い場合その集団は、多数決よりもコンセンサスによる決定を目指したほうが、女性の参加意欲が高くなる。“全員一致ルールは少数者である女性を保護し、この決定ルールの下(もと)では彼女らは会話に積極的に参加するようになる”、政治学の優れた専門誌The American Political Science Reviewが紹介している研究は、こう説明している。女性特有のものの見方や、意見やアイデアや感性が重要であると考える企業にとって、この最新の研究は長年の問題を解決する鍵かもしれない。
この研究の基礎となった実験は、男女比率をランダムに決めた複数のグループを作り、各グループに、仕事の成果に基づく賞与の決め方を議論させる[pdf]。研究者たちは総発言中の女性の比率を記録し、また、それら女性の発言が会議において持った/発揮した影響力をグループへの事後インタビューによって判定した。
グループが賞与額の決め方を多数決で決定した場合、グループ中の女性がたった一人だったときには、その女性は男性たちに比べ、与えられた機会の半分未満の機会にしか発言していない。コンセンサスによる決定方式では、女性の発言比率が約50%増加し、男性と女性でほぼ同じ参加率となった。
“全員一致の下では、どの意見も重視されるので、誰かの声が無視されることがない”、と研究者たちは書いている。“このルールは少数者を支援し、彼らの参加のレベルを高める”。
しかし男女の格差は必ずしも数の差の結果ではない。生まれ育ちや文化によって、女性のグループ内の行動はさまざまだ。“小グループのディスカッションでは、男性が自己の個人性を前面に打ち出しがちなのに対し、女性は協力を指向する。…したがって女性が少数派であるグループにおいて女性は、全員一致ルールを、多数決ルールのときと違って自分もなにがしか最小限の貢献をしなければならない、しかし議論を支配することは避けなければならない、という意味に解釈する”。
おもしろいのは、女性の影響力が強い状況では、賞与額の決め方が平等主義に傾き、仕事の成果が最小の者にもより多くの額を与える決定になった。この研究結果は、現実を反映しているように思われる: ノルウェーが公開企業における(役員〜管理職の)女性枠の設定を法制化したあと、ある研究は、女性の力の強い企業ほど労働力の削減数が少なくなった、と報告している[pdf]。
読者の中には、女性を必ず意思決定過程に参加させるべし、という考え方に必ずしも賛成でない方もおられよう。しかし賛成派の方には、この研究が直接お役に立つと思われる。


