Kickstarterが原点に戻る

Kickstarterは夢を実現するマシンだ。小説を出版したい、映画を製作したい、あるいは、何か、たとえば小さな自転車用ランプ作りたい、そんな夢に対してこのサイトは、次々と迅速に資金を提供してきた。夢はもう、何か月も何年も胸中に悶々とあたため続けるものではなくなった。
そのKickstarterが今、岐路に立たされている。人気絶大で、しかもヒット作続出(スマートウォッチPebble、ゲーム機Ouyaなど)だから、世の中の人たちはKickstarterを最高の予約販売サービスだ、と考えるようになった。
そこに問題がある。予約販売や製品の予告プラットホームと見なされるようになったKickstarterは、いろんな問題を抱えることになった。第一に、既存のメーカーが今後予定している新製品をKickstarterでテストマーケティングするようになった。また、経験の浅いハードウェアメーカーが資金を調達して、いつまで経っても製品が完成しない、というケースも起きた。そこでKickstarterは、そのガイドラインに2つの新ルールを設けた。
BoingBoingのブロガーGlenn Flieshmanは、これはKickstarterの財政にとってはマイナスだがコミュニティをより堅固にする、と書いている。
Kickstarterが投資するのは、現状で持続性のあるアイデアだ。アーチストのビジョンやライターの研究調査にも投資する。設計者の、次世代鼠取り機にも投資するが、次世代Sonyには投資しない。クリエイターも支援者も、このような決定によって、見るからにうさんくさいアイデアを投資対象から排除できる(個人的にはぼくは、Ouyaがそのカテゴリーに当てはまるのではないか、と思っている)。
すばらしい時代が始まっている。何でも可能であり、夢は実現する。それは、Walt DisneyやPeter Panのようなビッグスケールではない。技術者も設計者も、口うるさいパトロンや、企業の締め付け無しで、自由に創作したいと心中では願っている。個人の自由な創作と、そのための資金、それは1年前には不可能だった。しかし、Kickstarterが誕生し、ソーシャルに成長し、大成功している今はむしろ、ハードウェアのスタートアップが個人の夢から生まれ育つ時代になっているのだ。


