Kickstarterが原点に戻る

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Kickstarterは夢を実現するマシンだ。小説を出版したい、映画を製作したい、あるいは、何か、たとえば小さな自転車用ランプ作りたい、そんな夢に対してこのサイトは、次々と迅速に資金を提供してきた。夢はもう、何か月も何年も胸中に悶々とあたため続けるものではなくなった。

そのKickstarterが今、岐路に立たされている。人気絶大で、しかもヒット作続出(スマートウォッチPebble、ゲーム機Ouyaなど)だから、世の中の人たちはKickstarterを最高の予約販売サービスだ、と考えるようになった。

そこに問題がある。予約販売や製品の予告プラットホームと見なされるようになったKickstarterは、いろんな問題を抱えることになった。第一に、既存のメーカーが今後予定している新製品をKickstarterでテストマーケティングするようになった。また、経験の浅いハードウェアメーカーが資金を調達して、いつまで経っても製品が完成しない、というケースも起きた。そこでKickstarterは、そのガイドラインに2つの新ルールを設けた。

製品のシミュレーションを禁ずる。プロジェクトはイベントをシミュレートして将来の製品をデモしてはならない。製品は、それが実際に稼働しているところだけしか見せてはならない。しかもそれは、開発の現段階で可能な稼働でなければならない。製品の描画を禁ずる。製品の画像は現存するプロトタイプの写真のみとする。製品は、現状ありのままで提示されなければならない。将来的な夢のような約束は、支援者の期待を現実以上に高めすぎる。最良の原則は: 約束は控えめに、完成品(の機能性能)は予期以上に、である。

BoingBoingのブロガーGlenn Flieshmanは、これはKickstarterの財政にとってはマイナスだがコミュニティをより堅固にする、と書いている。

この新方針はKickstarterの主たる目標に完全に合致している。それは、アイデアを現実化すること、物を売ることではない。Kickstarterはプロジェクトの獲得資金の5%を取る。この新方針が最初からあったら、Pebbleが獲得した資金は1000万ドルではなく100万程度だっただろう。するとKickstarterの取り分は50万ドルではなく5万ドルになる。でもこのようなコミッションの減額は、ファウンダーたちを悩ませないだろう。彼らは、創立時の使命に立ち戻るのだから。Kickstarterの投資家たちも、その多くはコミュニティの構築がメインの目的であり、大きな使命を犠牲にしてまで経済的なリターンを得たいとは思っていない。

Kickstarterが投資するのは、現状で持続性のあるアイデアだ。アーチストのビジョンやライターの研究調査にも投資する。設計者の、次世代鼠取り機にも投資するが、次世代Sonyには投資しない。クリエイターも支援者も、このような決定によって、見るからにうさんくさいアイデアを投資対象から排除できる(個人的にはぼくは、Ouyaがそのカテゴリーに当てはまるのではないか、と思っている)。

すばらしい時代が始まっている。何でも可能であり、夢は実現する。それは、Walt DisneyやPeter Panのようなビッグスケールではない。技術者も設計者も、口うるさいパトロンや、企業の締め付け無しで、自由に創作したいと心中では願っている。個人の自由な創作と、そのための資金、それは1年前には不可能だった。しかし、Kickstarterが誕生し、ソーシャルに成長し、大成功している今はむしろ、ハードウェアのスタートアップが個人の夢から生まれ育つ時代になっているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))