巨大データセンターもスマホが動かす?: ロシアのデベロッパがARM上のx86エミュレータを開発

x86チップは、世界中の何百万台ものサーバのプロセッサであり、Intelの最優良資産だ。でも今はまた、ソフトウェアがハードウェアを浸食する時代になったようで、今回はロシアのデベロッパたちがARMプロセッサを使用するサーバの上でx86のプログラムを動かすエミュレーション機能を作っている、というニュースが飛び込んできた。
これによりARM系のSoCを作っているところは、Intel x86プロセッサの代替機能をも市場に提供できることになる。
Intel x86のアーキテクチャは、否定の余地なく、攻撃にさらされている。今では多くの企業が、x86を捨てて低電力消費のARMに乗り換えることを検討している。そのためApplied MicroやCalxeda、Cavium、Marvell、 Nvidia、Samsungなどは、Intelからマーケットシェアを奪えると色めき立っている。
今、データセンターというビジネスは競争が激化し、ローコストと高パフォーマンスという矛盾する目標を各社が追っている。そのため、このような技術への需要はとても大きい。その場合の主たる関心は、あくまでも電力消費だ。ご存じのように、スマートフォンやタブレットを動かしているのは(主に)ARMのプロセッサだ。そのプロセッサがまさに、これからは世界のデータセンターをも動かす、というのだ。
EETimesによると、“今Elbrus Technologiesが開発したエミュレーションソフトウェアは、ARMのネイティブのパフォーマンスの最高40%を提供できる”。最終目標は80%だそうだ。同社はこの目標に、2014年には到達する、と言っている。
EETimesより:
Elbrus Techのソフトウェアはコンパイルを並列処理で行い、翻訳結果を揮発性メモリに置くことによって、始動時のオーバヘッドを減らしている。そのバイナリトランスレータは、“コードの‘ホットな’領域と‘コールドな’領域に対し何段階もの最適化を行っている”、とKonukhovは語った。
問題は、人材不足だ。こういう種類の仕事に向いたデベロッパの絶対数が少ない。しかも、今x86が動いている世界中のサーバへのリプレースが、たいへんな作業になる。
でも、今われわれの目の前にあるのは、新しい現実だ。プロセッサが高性能化すればサーバのサイズはスマートフォン並になり、世界全体がそれらを結びつける一つのノードになるだろう。
そんな時代が訪れたら、低電力消費のプロセッサは‘望ましい’から‘絶対必要’にランクアップし、データの移動やネットワークの生成、情報の保存などをそれらが強力な主役として行っていく。これらを実現するのはもちろん、ハードウェアではなくてソフトウェアだ。だからこれからの世界を変えるのは、ソフトウェアのデベロッパなのだ。


