ティーンが持ってたiPodがニューヨーク市警の暴行と人種差別をあばく

Alvin Arrested

“なんでぼくが逮捕されるんですか?”、17歳のニューヨーカーAlvinがそう言ってる。“おまえがひでえ雑種(mutt)だからだよ”*、NYPD(ニューヨーク市警)の警官がそう言っているのが、はっきり聞こえる。AlvinのiPodが、それを録音したのだ。ニューヨーク市警は一日平均1800回あまりの職務質問をするというが、それを録音されたのは今回が初めてだろう。〔*: mutt, 元々の意味は‘雑種犬’なので、人種差別的な含意がある。〕

下のビデオにその録音の一部が紹介されているが、それは強力なモバイル製品があれば一般市民が警官の不正や横暴や怠慢をチェックできることの好例だ。

なお、本誌TechCrunchはNYPDに対して悪意を持っていないし、このビデオ中の事実を確認していない。 このビデオは左翼系のThe Nationが編集したものだ。同誌は、アメリカでもっとも古くから…途中休刊もなく…出版されている週刊誌だ。尊敬されている雑誌だが記事は不偏不党ではない。職務質問自体は市民にとって有益な場合がある。ビデオも、またこの記事も、職質をやめろ、と言ってるわけではない。新米の警官がときにはこんな態度を取ることもある、以後改めてほしい、と言ってるだけだ。


巡査:「おまえがひでえ雑種だからだよ、わかるだろ?」
Alvin:「雑種だと、犯罪なの?」
巡査:「おまえ、今誰に向かって喋ってるか分かってんのか?」
巡査部長:「おまえ、刑務所に入りたいのか?」

このビデオには、NYPDの巡査(匿名)へのインタビューがある。一人の警部は、“職質では、少々人権を無視してしまうこともある”、と認めている。しかし、問題になるような職質をした巡査は、昇進しないそうだ。

でもこのビデオの主役は、彼が職質が始まる直前から秘かに開始した録音の内容だ。なぜ止められたのかというAlvinの質問に対して巡査は、“おまえがひでえ雑種(mutt)だからだよ”、と言っている。Alvinは混血で、肌の色は白くない。その後一人の巡査はAlvinに、“おい、おまえの腕をへし折って顔にパンチを食らわせてやるぜ”、と叫んでいる。

このときの巡査たちの横暴に関する、一般市民からの通報等はなかった。仮に誰かが遠くからビデオを撮っていたとしても、ここまで明瞭な音声の記録は無理だっただろう。Alvin自身が自分のモバイルデバイスで録音していたからこそ、NYPDがやったことを明るみに出すことができたのだ。

New York Civil Liberties Union(ニューヨーク市民自由連合)が提供している携帯アプリStop and Frisk Watch(職質監視)は、もっと安いモバイル製品で録画や録音ができる。いずれにしても、Alvinの録音行為が示しているような市民側の注意と意識があれば、権力の側にある人びとの説明責任に、新時代が訪れる。不適切な行為を始める前に、あたりをちょっと見回すだけでは、もうすまなくなるのだ。

合衆国国民の自衛のための武装は、憲法でも認められている。しかし現代では、銃ではなく携帯電話がわれわれの自由を守る、と言えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))