個々の製品上に“物のインターネット”を実現するEvrythngにSkypeの発明者らが投資

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「物のインターネット(Internet of Things)」。この言葉はとても大きな可能性を秘めているが、でも今のところまだ世界には、ワイヤレスでインターネットに接続し、身につけたセンサーで大量のデータを送受する“物たち”が充満してはいない。少なくとも、まだ。世界中の、ありとあらゆる動く物や動かない物からの、データで囲まれるわれわれ人類。それは今日まで、あくまでも、実現困難なビジョンにすぎなかった。

しかしイギリスとスイスにまたがるEvrythngは、自分たちならその夢を実現できると信じ、そのための技術とパートナーの両方がある、と主張している。その最初のパートナーとは、酒造大手Diageoだが、そこと何をするのかはまだ明らかではない。彼らには投資家もついている。Skypeの発明者Niklas ZennströmのVC、Atomico Venturesが、同社への最初の投資ラウンドで100万ドルを提供し、次のラウンドも控えている。Evrythngは今、何社かの消費者製品のメーカー企業にパートナーシップを呼びかけており、非公開ベータのデベロッパ向け企画もすでに動いている。彼らのEvrythng立ち上げの契機は、スマートフォンのグローバルな普及だ。

Evrythngは、あらゆる物に“Active Digital Identities”と呼ばれる、インターネット通信のためのデジタルID(アクティブな識別子装置)を与え、それらにWebからアクセスできるようにする。また、その物固有のアプリケーションを作るための豊富なツールも提供する。“物のFacebook”ができる、と考えると分かりやすいかもしれない。われわれの生活の中にある個々の物が、オンラインのユニークなプロフィールを持ち、それが、インターネット上に加えられたり、アップデートされたり、共有されたりするのだ。

協同ファウンダのNiall MurphyとAndy Hobsbawmによると、こういうプラットホームで絶対的に重要なのはセキュリティだ。

MurphyらはThe CloudというWiFi企業を作り、それをのちにSkyに売った。その後二人はスイスのETHの技術者たちとチームを組んだ。ETHは、物のインターネットに関する指導的な調査研究/ハッキング&コミュニティサイトwebofthings.orgを運営している会社だ。同社のVlad TrifaとDom Guinardが、今ではEvrythngの協同ファウンダになっている。

CMOのHobsbawmによると、Evrythngのネット対応IDをメーカー企業などが製品や商品に付けると、その物に関するデータをリモートでWebから更新できるようになる。その作業をアプリケーションで自動化することも可能だ。たとえば物が、位置、天候、時間などありとあらゆる状況に基づいてユーザに提案をするようになる(状況情報はID内蔵の各種センサーやGPSなどから得る)。ユーザは、自分のコンピュータやスマートフォンからその物に“チェックイン”する。

Hobsbawmが言うには、“ぼくは個人的にはこれは、あらゆる物が互いにつながり合うという単純なIoT(Internet of Things)の考え方とは違うし、こっちの方がおもしろいと思う。でも、実際に洗剤の箱にツイートするICラベルをつけたり、靴にGPSチップを埋め込むのは、まさにこれからの話だ”。

それはまた、“Product Relationship Management”(プロダクト関係管理, PRM)という新しい概念を生む。CRMが顧客と企業の関係管理であるのに対し、PRMは製品と消費者の関係だ。デジタルIDを身につけたプロダクトが、動的な(リアルタイムの)コンテンツやサービスを消費者に提供する。つまり物理的な物が、特定オーナーのためのデジタルメディアになる。これまでは、製品や商品はお店や倉庫の棚にあるだけで、コミュニケーションやサービスは個々の製品とは関係なく、企業のWebサイトなどから“一般的に”行われていた。しかしこれからは、個々の物が情報主体になることによって、POSやクレーム/問い合わせ対応など、さまざまな現場業務のコストが低減するだろう。

しかも、このID装置はにせもの対策にもなる。また物についているIDに、いろんなアプリを動かさせることもできる。適切なアプリケーションにより、消費者が製品にチェックインしたとき、サプライチェーン側はその物がインターネット上に送出する情報から、真贋を判断できる。

IDが起動するアプリは、マーケティング代理店にとっても利用価値が大きい。というか、それによって、代理店が企業に売り込む企画の幅が、大きく広がる。“優秀な代理店なら、消費者体験にイノベーションと個人化をもたらす多様な企画を、顧客企業に提供できるはずだ”、とHobsbawmは言う。

“Verisignはeコマースのための証明を管理するが、うちはWebに接続した物のアイデンティティを管理したい。”

それは明らかに、インターネットそのものと同じぐらい、でっかいビジョンだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))