AWSユーザのコスト削減よりむしろ利益増大を目指す分析サービスNewvem

ここ数年でAmazon Web Services(AWS)は、人気トップのクラウドインフラになった。生まれたてのスタートアップにも大企業にも、どちらにも人気があるというAWSの性格は、競合他社にはなかなか真似ができない。最新のコンピューティング/ホスティングサービスを低料金で利用でき、スケーラビリティも十分にあることは、たいへん魅力的だが、しかし実際に使うとなると、スタートアップにとっても企業にとっても、その最適利用がなかなか難しい。とくに多いのが、リソースを必要以上に多く契約してしまうことだ。
そこに、Newvemが助っ人として登場する。3月に公式デビューしたこのイスラエルのスタートアップは、AmazonのクラウドのユーザのROI向上を助ける。クラウドの費用はクラウドの利用をつねに最適化していないと高くなりだちだから、このプラットホームは企業の管理職やデベロッパたちに彼らのクラウドの現状を知る方法を提供し、リソースの無駄遣いや異状の発生を防ぐ。
またNewvemはAWSの運用データをできるだけ多く集めて分析し、その結果に基づいて個々の顧客にリソースや費用の最適配分を先取り的に(問題が発生してからではなく)推奨する。
それはある意味では分析をベースとしてクラウド管理を提供するサービスだから、Newvemは今日(米国時間11/15)新たにAWSの分析サービスをロンチした。このサービスは、スタートアップにコスト削減よりもむしろ、利益拡大のためのソリューションをトップダウンで指導する*点で、ユニークで新しい。〔*: 無駄な部分を指摘するだけでなく、伸びている部分を発見してリソース割り当ての拡大を示唆したりする。〕
このサービスには無料と有料のバージョンがあり、いずれもユーザに、今インフラをスケールすべきか、それともむしろ、売上が伸び悩んでいるのでインフラを縮小せよ、などと示唆する。そのために、企業の活動タイプ〜分野別にクラウドの利用を分析する(例: 経理部門がどんな使い方をしているか)。つまり、単純な総合的分析ではないので、企業の戦略立案のための実用性が高い。
また、分析結果の内容や出力様式も、企業内の役割ごとにテイラーメイドされる。たとえばCIO用には“CIO Cockpit & Managerial View”というものが提供され、クラウド資産の使われ方の詳細を視覚化して見せる。
Newvemは今日さらに、これまでのWebアプリケーションに加えてiOS用ネイティブアプリを立ち上げた。これは利用分析結果を、通知(ノーティフィケーション)付きのメールやアラートでユーザにリアルタイムで報告する。
同社は8か月のベータ期間に1000万以上の、大小さまざま、ユーザの業種もさまざまなAWSインスタンスを分析し、一日平均で1100万ドル相当の最適化余地を発見している。
Newvemの企業開発/マーケティング担当VP Cameron Peronによると、その8か月の間に同社は、1000あまりのクラウドの上の4000万を超える仮想サービスを分析し、その結果これまでの5か月間でユーザの25%あまりがAWSの利用効率を100ないし1000%向上させた。
今回一新した分析サービスは、いずれ無料バージョンも提供する予定だ。それにより小規模なスタートアップでも、インフラの効率的な利用方法を知り、クラウド使いの名人になれるだろう。
クラウドの使い方を分析し最適化の方針を示すという点で、Newvemの競合他社としてはCloudabilityの名が思い浮かぶ。昨年11月に一般公開にこぎ着けたCloudabilityはクラウドへの支出の分析に力点を置き、クラウドのためのMint.comを自称している。より多面的な分析を行い、節減だけでなく利用拡大の示唆もするNewvemはさしずめ、AWSのためのGoogle Analyticsと呼べるだろう。
ほかにもCloudyn、Rightscale、Cedexisなどが強力な競合相手だが、Newvemの持ち味は、Amazonのクラウドサービスの使用実態に、透明性と可視性をもたらすことだろう。しかし、AWSの分析サービスがこれほど大きな市場なら、Amazon自身が参入してもいいのではないかな? AWSの活況を見ていると、同社が多国籍eコマース企業でタブレットのメーカーでもあることを、つい忘れてしまいそうだ。
Newvemはこれまで400万ドルの資金を、Greylock Partners、Index Ventures、それにEric SchmidtのInnovation Endeavorsから調達している。
詳しくはNewvemのホームページを。




