デロイトレポート:2013年のスマートフォンの出荷台数は10億台の見込み。但し「スマート」フォンの利用形態には変化もあり

slippery when wetスマートフォンの普及はますます進んでいるようだ。Deloitte(デロイト)のレポートによると、2013年におけるスマートフォンの出荷台数は10億台となり、スマートフォンの利用台数は20億台に達する見込みなのだそうだ。但し、スマートフォンの利用方法についてはいろいろと「想定外」なケースもあるようだ。

DeloitteのまとめたGlobal Mobile Consumer Surveyによれば、700ドル以上するスマートフォンがある中、今年販売される見込みのスマートフォン中、5億台ほどは100ドル未満のものであるとのこと。中には50ドル未満というものもあるのだそうだ。この値段のばらつきからも(また、実際にスマートフォンをフィーチャーフォン風に使う人が多くいることからも)、「スマートフォン」の捉え方にもいろいろな違いがあるようだ。

ちなみにDeloitteのレポートでも「今回の調査では、いったい何が“スマートフォン”なのかについては消費者の受け取り方に基づいてジャンル分けを行なっている。一般的な基準である“どのOSを利用しているか”という分類方式を採っていない」とのことだ。「ミドル・アダプターとでも言うべき一般消費者の多くは、タッチスクリーンやフルキーボードを搭載しており、アプリケーションが利用出来ればスマートフォンであると認識している。消費者はどういうOSが利用されているのかを意識していない」ということのようだ。

非スマートフォンがスマートフォン化していて、区別が曖昧になっているという事実は確かにある。統計によってはSamsungのBadaを搭載したフィーチャーフォンも統計によってはスマートフォンにカウントされている。またNokiaは低機能モデルにもスマートフォン風機能を提供するOSを開発している企業を買収した。

但し、消費者が「利用OSを意識していない」というのはどうだろう。やはりコンサルティングサービスなどを提供するAccentureのレポートには異なる結果が報告されている。すなわち11,000人を対象に行なった調査によれば、スマートフォンについては100%の人が搭載OSを知っていたそうだ。消費者は「利用OSを意識していない」とか「知らない」という見解もあるのだが、スマートフォンを実際に利用している人についてみれば、そうではないらしい。

ところで現在、いろいろな国や地域でスマートフォンとフィーチャーフォンのバランスが逆転しつつあるところだ。しかしDeloitteの調査報告には、スマートフォンの「スマート」機能が全て利用されているわけではないことも触れられている。2013年には、携帯通信網を使うかWi-Fiを使うかを問わず、5台に1台(すなわち4億台)のスマートフォンがウェブに接続されないか、ほとんど接続されないままになるだろうと予測している。

「年間を通じて、数億台のスマートフォンがデータ通信を行わないということになるだろう」と記している。「4億台のスマートフォンが2013年の一年間を通してウェブには繋がらず、あるいはほんの数回接続するに留まる見込み。つまりはフィーチャーフォン的な利用方法が為されるだろう」とのこと。

すなわち、現在は2つの流れがあると考えるべきなのだろう。スマートフォン化しつつあるフィーチャーフォンというのがある。しかし同時に、スマートフォンでありながらフィーチャーフォン的な使い方しかされないものも出てきつつあるのだ。

たとえば成熟市場を見てみよう。モバイルデバイスによるインターネット利用率を見ると日本が92%でトップとなり、アメリカ、イギリスがそれぞれ85%および75%でそれを追っている。これらの国々では普及率の方もトップクラスであり、つまりスマートフォンの普及率とインターネットの利用率の間に相関関係があることを示している。

Deloitte smartphone penetration developed markets

スマートフォンが普及しつつある国々においても、コストや有線ブロードバンドネットワークの不在(ワイヤレスネットワークの方が設置も容易で、将来的にも有線ブロードバンドは普及しないのかもしれない)により、スマートフォンがPCの代替物として普及しつつあるところも多い。

しかし「スマート」フォン風の使い方を阻む傾向もないではないようだ。すなわち「繋がる」ことに興味のない人もいれば、またデータ通信料金などが高額すぎたり、あるいは複雑な体系が理解しづらいというケースもあるようだ。物理的に接続しにくいというインフラの問題もある。また、フィーチャーフォンで十分と思いつつも、売っているのがスマートフォンばかりだということもある。それで仕方なくスマートフォンを購入するものの、利用方法は従来のままとなるわけだ。ベトナムの2012年第1四半期において、携帯電話販売台数におけるスマートフォン率は30%だった。しかしDeloitによるとデータ通信を行なっているのはそのうちの11%に過ぎないそうだ。

もちろん、スマートフォン保有率と、インターネット利用率が同じくらいの値を示している国もある。トップはトルコで91%となっており、クロアチアおよび南アフリカがそれぞれ85%、81%で続いている。

Ingrid figure two

しかし現在、出荷台数で世界最大のスマートフォンマーケットだと見なされている中国が、利用者数自体は大きいにも関わらずどちらのグラフにも入ってこないのは興味深い。但しこれも見方を変えれば中国市場にはさらに大きな「ポテンシャル」があるということもできる。

また、Deloitteのレポートによると、スマートフォンオーナーが必ずしもたくさんのアプリケーションを使っているわけではないそうだ。スマートフォン利用者の16%がひとつのアプリケションもインストールしていないのだとのこと。これについては、高い普及率を示す地域の方が21%と高い数字を示すのが面白い。普及が進みつつあるところでは13%と低くなっている。「プレインストールされているソフトウェアしか利用しないという人も相当数いるようだ」とDeloitteのレポートには記されている。

テック界の人は、「スマート」さを活用しようとしないスマートフォンの利用実態をみて驚きを感じるかもしれない。しかし単にフィーチャーフォンが一部マーケットで入手しにくくなっているという現実もあるのだ。単に外見が気に入ったものを購入して、そして従来通りに利用しているというケースもあるわけだ。

Photo: Flickr

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(翻訳:Maeda, H)