Yahoo、Tumblrの11億ドル買収を取締役会で承認(WSJ報道)
Wall Street Journalによると、Yahooのソーシャルブロギングサイト、Tumblrの11億ドルによる買収が取締役会で承認された。Tumblerの買収が先週噂された時、金額は10億ドル以上と言われていた。同紙の報道によると数字は正確だったようだ。
WSJの情報筋によるとTumblerは独立事業として運営を続け、月曜日(米国時間5/20)に2社のいずれかあるいは両方から正式発表があるという。Yahoo CEOのMarissa Mayerが同サイトに興味をもったのはわずか数ヵ月前だが、Tumblrの買収はソーシャルメディア参入の大きな一歩であり売上拡大の方法であると彼女は考えている、とWSJに語った匿名の人物は伝えている。Yahooはすでにニューヨーク市で月曜日にイベントを予定しており、WSJによると同社は、これも噂されているFlickrとの契約を発表するらしい。Tumblrの買収は、当初の発表予定には入っていなかったかもしれないが、もし承認されればば明日の発表に盛り込まれる可能性は高い。
最近本誌が入手していた情報によると、Yahooの上級幹部組織に空白が生まれつつあり、モバイル部門から重要メンバーが抜けたという噂があった。これらの離脱劇が比較的最近のことなのは興味深く、Tumblrが当初社内で安すぎるという声もあったと言われる11億ドルの提案を呑んだこととも関係があるかもしれない。本誌情報筋は、Tumblrの現金が急速に底を尽きつつあり、それも売却の理由かもしれないと言っている。
Twitterでは一部のユーザーが、Yahooの買収が決まったらTumblrをやめると脅すと言っていることを本誌のIngridが先に報じた。彼女も書いているように、同サイトの訪問者数の伸びは2013年に入って停滞あるいは減少気味であり、いずれもTumblrのユーザー獲得にとって良い話ではない。しかしInstagramがFacebookに買収された時にも、うるさいユーザーがアカウントを閉じると騒いでいた。実際には、Instagramのユーザー数、エンゲージメント、ブランド認知力は買収後に著しく上昇した。
Yahooは今年に入り急ピッチで企業買収を進めており、この数ヵ月間毎週どこかを買っているかのような勢いだ。中でも目立ったのはSummlyの買収で、このニュース要約スタートアップは3000万ドルと報じられた金額でYahooに吸収された。17歳のファウンダーは、会社そのもの以上に見出しを飾り、買収のメリットに関しても多くの議論を呼んだ。
最近になってからYahooの買い物リストはあまり明かされなくなり、買収パターンは同社製品群の拡大というよりも戦略的雇用が目的になっているに見えた。しかし、Tumblrは厖大な既存ユーザーを持つ機能満載の成熟サービスであり、Yahooでは必ずしも代表的といえない比較的若い層をターゲットとしているので、そのトレンドとは異なる。Tumblrにはそれなりの「クール」さがあり、それはまさしくYahooが欲しがっているものだ。
その買収金額には一部で驚きの声があがっている。Fortune誌のDan Primackがツイートしているように、最新の決算報告によるとYahooの手持ち現金はわずか12億ドルなので、現金によるTumblr買収は、Appleはもちろん、Instagram買収の10億ドルを現金と株式で支払ったFacebookと比べても、はるかに無理な買い物だ。もし数字が正しいとすれば、YahooのTumblr買収は、同社がいかに貪欲にメディアベースのソーシャルネットワーク参入を望んでいるかを示す強力なシグナルだ。
本誌はYahoo、Tumblr両社にコメントを求めているが、Yahooから型通りの「噂や臆測に評コメントしない」旨の返信があっただけだ。もしTumblrから返事があれば本項をアップデートする予定だ。
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(翻訳:Nob Takahashi)