メルカリがCtoCに特化した出資を加速、「メルカリファンド」を立ち上げ

7月2日に設立4周年を迎えたメルカリ。同社が発表したインフォグラフィックスによると、フリマアプリ「メルカリ」のダウンロード数は7500万件(日本5000万件:米国2500万件)まで拡大している。そんな同社がCtoC事業やその周辺事業を行う企業への出資を加速するため、7月4日に「メルカリファンド」の開始を発表した。

メルカリファンドはいわゆるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)や子会社による投資ではなく、あくまでメルカリ本体でのプロジェクトを指している。

このプロジェクトでは、商材やサービスなど、特定の分野に特化したCtoC事業を行う企業や、マーケットプレイスの活性化を促進する事業を行う企業等を対象として投資を行う。メルカリはこれまでもネットショップ開設サービス「BASE」運営のBASEや家電・カメラ等のレンタルサービス「Rentio」運営のレンティオ、スマートフォンアプリ向け語学レッスンサービス「flamingo」運営のフラミンゴに出資している。このうちフラミンゴに関しては、メルカリファンドからの出資という扱いだという。

メルカリファンドの出資金額については特に上限を設定せず、個別案件ごとに検討するという。また出資する事業に関しては、メルカリやメルカリ アッテなどのサービスとの連携も検討する。メルカリは2月にフリマアプリ「スマオク」を手がけるザワットを買収しているが、「投資検討をする中で買収という選択肢をとることも視野に入れる」(メルカリ)としている。問い合わせはメールアドレス「[email protected]」宛てとなっている。

目的はCtoCプラットフォームの拡大

ただメルカリが今回の取り組みで狙うのは、買収ありきというものではなく、あくまで特化型CtoCサービスや周辺サービスの支援によるCtoCプラットフォームの拡大だという。

この構造は、今やゲームの会社となったミクシィが、SNSの会社だった頃に取り組んだ「ミクシィファンド」に近いものを僕は感じる。ミクシィファンドもCVCではなくあくまでプロジェクトとして、ミクシィのSNSプラットフォーム向けにサービスを提供する事業者に出資し、プラットフォーム拡充を進めるというモノだった。実はこのミクシィファンドの立ち上げにも関わっているのが、当時ミクシィにいた、現・メルカリ取締役社長兼COOの小泉文明氏。そしてそのミクシィファンドの第1号案件がコミュニティファクトリー。同社は現在メルカリ アッテを提供しているソウゾウ代表取締役の松本龍祐氏が立ち上げたスタートアップだ。

7500万のユーザーを抱えるメルカリはいよいよプラットフォームとなった。であれば自分たちでCtoC領域の事業を展開するだけでなく、パートナーを募ってより大きなサービス群を立ち上げていく。その手段として、今回のメルカリファンドがあるというわけだ。