ジェネシア・ベンチャーズが30億円規模の第1号ファンド組成へ

シード・アーリステージのスタートアップへの投資に特化したジェネシア・ベンチャーズは8月16日、第1号ファンドとなる「Genesia Ventures Fund 1号投資事業有限責任組合(以下、1号ファンド)」のファーストクローズを行い、総額20億円で同ファンドを設立したと発表した。

左から、アソシエイトの河野優人氏、ジェネラルパートナーの田島聡一氏、アソシエイトの木村浩平氏

1号ファンドの主なLPは以下の通り:

なお、同ファンドは年内にファイナルクロージングを行う予定で、引き続き出資者の募集を行う。最終的に、ファンド総額は30億円程度まで拡大させるという。

アジアのシード・アーリステージ投資に特化

ジェネシア・ベンチャーズの1号ファンドが投資するのは、日本、東南アジア、北米に拠点をおくシードからアーリステージのスタートアップだ。同ファンドはすでに20社への投資を実施している。

その中には、TechCrunchでも紹介したスタートアップたちも含まれている。AI投資アドバイザー「VESTA」を提供するGoodMoneyger、貿易業界のクラウドサービスを提供するZenport、単純作業を自動化するRPAサービスのBizteXなどがその例だ。それぞれのスタートアップの詳細は以下の記事を参照していただきたい:

ジェネシアは海外スタートアップへの投資にも積極的だ。東南アジアで「高級ホテル版Airbnb」とも言えるサービスを提供するLuxstayや、不動産マッチングプラットフォームのHomedyなどに出資している。ジェネシア・ベンチャーズ創業者でジェネラル・パートナーの田島聡一氏は、「現在の海外出資比率は30%程度で、1号ファンドについては今後もこの割合を維持していく予定だ」と話す。

そういえば、「ジェネシア(Genesia)」という名前は、創生という意味を持つ“Genesis”という単語に“Asia”を掛けあわせたものらしい。だから、日本や東南アジアを含むアジア全体への投資というのが彼らのミッションでもあるわけだ。「事業のアイデア作りの段階から支援に関わり、創業直後からプレAまでの投資に特化する。その後に追加出資というかたちでシリーズA以降のラウンドに参加することはあるが、初回投資でシリーズA以降への参加は原則しない」(田島氏)

ジェネシア・ベンチャーズは2016年に設立されたばかりのVCだけれど、創業者の田島氏はスタートアップ・VC業界では知名度も実績もある人物。彼はさくら銀行(現:三井住友銀行)で約8年のあいだ企業融資業務などに携わったあと、サイバーエージェント・ベンチャーズに入社。2010年には同VCの代表取締役にも就任し、多くのエグジットも経験している。