マスク氏のツイートを弁護士が監督することでSECと和解
Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)氏、そして米国証券取引委員会(SEC)は4月26日、マスク氏のツイート問題で合意に達したと発表した。その合意とは、制限はありながらも、先の裁判所の命令への違反で侮辱罪に問われるという心配なしに、CEOのマスク氏にTwitterの使用を認めるというものだ。
同氏は特定の事柄や経営状態などについてをのぞき、好きなようにツイートできる。しかし、マンハッタン連邦裁判所に提出された合意文書によると、そうした特定の事柄などについてツイートする場合は、弁護士から事前承認を得なければならない。
合意には今後、この件の裁判長である米連邦地裁の裁判官Alison Nathan氏の承認が必要となる。Nathan氏は、それぞれに主張を展開していたSECとマスク氏に歩み寄りと解決策の模索を促すため、2週間という時間を与えていた。
マスク氏はツイートに以下のような内容が含まれる場合、弁護士の事前承認を得なければならない。
- Teslaの経営状態やガイダンス、可能性のある合併や買収、ジョイントベンチャーについての情報
- 生産・販売・納車台数(実績、予想、計画)
- 既存のビジネスライン(目下、車両や交通機関、持続可能エネルギープロジェクト)に関係のない新規または候補のビジネスライン
- 公式なTeslaのガイダンスで事前に発表されていない計画、予想、見積もりの数字
- Teslaの株に関する動き(マスク氏の株の取得や売却を含む)
- 非公表の法的または規制上の調査結果や決定
- 管理の変更や役員(最高経営責任者、会長、最高財務責任者、最高会計責任者、最高執行責任者、または同様の責任を伴う職についている人)の変更といったフォーム8-Kの提出が必要なもの
2者の戦いは、1株420ドルでTeslaの株を買い上げて同社を非公開とするための「資金は確保した」というマスク氏の2018年8月の悪名高いツイートに端を発している。SECはマスク氏を詐欺容疑で提訴した。
マスク氏とTeslaは非を認めることなく昨年SECと和解した。Teslaは罰金2000万ドルを払うことに合意し、マスク氏はTeslaの会長職を少なくとも3年間離れることに同意しなければならなかった。またTeslaが役員会に独立取締役2人を追加することも合意に盛り込まれた。加えてTeslaは、Twitterによるものも含め、マスク氏のTeslaに関する公に向けた発言を監視する方策を実行に移すよう求められた。
両者の戦いは、マスク氏の2月19日のツイートで再び勃発した。そのツイートは、Teslaは今年約50万台を製造するだろうというもので、数時間後に自ら修正し、Teslaは今年末までに年率50万台で製造するということを意味していたとはっきりと説明した。
SECは、マスク氏のツイートが合意に反したと主張した。一方のマスク氏は、ツイートが取るに足らないもので合意を守っていると述べた。
SECは、マスク氏の「資金は確保した」ツイートをめぐって昨年10月に合意に達した和解内容に反しているとして、Musk氏に法廷侮辱罪を適用するよう裁判所に求めた。SECは、マスク氏が投資家や当局にとって材料となり得る情報を発信する前にTeslaの役員会から承認を得るべきだったと指摘し、2月19日のツイートは合意に反したと主張した。
マスク氏は断固として合意に反していないと主張している。
イメージクレジット: Robyn Beck / AFP / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)