iOS 13はマイナンバーカードや英国パスポートも読み取り可能に
NFC(近距離無線通信) テクノロジーはiOSでApple Payその他の基盤として広く活用されている。たとえばLaunch Center Proのアイコンをタップして複雑な動作をさせるアプリもNFCを利用している。WWDCで詳細が発表されたiOS 13ではNFC機能も大幅に強化される。
この一般公開されるiOS 13では、iPhoneでNFCタグを読み取るだけでなく直接タグに書き込めるようになる。また相互通信もネイティブなプロトコルとしてサポートされる。Apple(アップル)は先週のWWDCで、デベロッパーはICパスポートの情報を読み取ったり非接触型スマートデバイスと会話するアプリが簡単に開発できるようになると述べた。
先ごろ、アップルとGoogle(グーグル)はニューヨークの地下鉄でApple Pay、Google Payを利用したNFCで料金が支払えるようになると発表した。ポートランドの公共交通機関や他の大都市でも同様の試みがスタートしている。
iOS 13のアップデートでNFCフレームワークはさらに強化され、できることが飛躍的に増える。新機能を利用するプロジェクトが多数開発中だ。
例えば日本では、iOS 13のローンチに合わせて、iPhoneによるマイナンバーカードの読み取りをサポートする準備を日本政府が進めているとEngadget Japanと日経が報じている。.このニュースは日本のCIO補佐官である楠正憲氏のツイートで確認された。
英国政府もNFCを利用したパスポート読み取りアプリを準備しており、iOS 13が公開されれば一般に利用できるようになるとReadIDの公式ブログが確認している。【略】
iOSアプリはID読み取り以外にもNFCタグの書き込み(NDEF)が可能だ。デベロッパーは一度書き込んだタグが後で変更されないようにするロック機能を持たせることもできる。
iOS 13のNFCフレームワークは今回発表されたNFC NDEFタグだけでなく、Mifare、FeliCa、ISO 7816(パスポート)、ISO 15693標準による読み書きをサポートする。iOS 13では言及された以外の場所でも広くNFCが活用されることになるだろう。
Above Image Credit: Ata Distance, which covers Apple Pay and contactless news
アップルはWWDCに先立ってラスベガスで開催されたにTransactカンファレンスでApple PayにおけるNFCを活用サービスについて発表していた。
通販のBonobos、パーキングメーターのPayByPhoneなどがNFCを利用したサービスに参入することを表明している。「支払いはApple Payだけで完結するため専用のハード、ソフトは必要とされない」と電動スクーターのシェアリングサービスを展開しているBirdのSteve Moser氏はツイートしている。【略】
Launch Center ProのデベロッパーであるDavid Barnard氏は、iOS 13が公開されれば、ブランクのNFCステッカーに内容を書き込めるようになるとツイートした。NFCステッカーはAmazonからバルクで買えるという。これにともない現在のプロダクトは値下げされる。
デベロッパーはこの間NFCの機能の拡充を求めてきた。一般消費者にとってNFCテクノロジーの詳細を理解するのは難しい。Near Field Communicationnの頭文字だということを知らないユーザーも多いだろう。それでもiOS 13ではNFCを通じてタップするだけけ複雑な仕事ができるようになる。ユーザーは自然に仕組みを覚えて使いこなすようになる違いない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)