WhatsAppの世界最大のマーケットであるインドのユーザー数は4億人

インスタントメッセージアプリのWhatsAppが今日明らかにしたところによると、同アプリにとって最大のマーケットであるインドのユーザーが4億人という大台に乗った。

影響力のあるインドのシンクタンクのNITI AayogでCEOを務めるAmitabh Kant(アミターブ・カント)氏が7月25日に、ニューデリーで開かれたWhatsApp主催の記者会見で新たな統計を明らかにした。WhatsAppの広報は、インドで4億人超もの月間アクティブユーザーがいることを認めた。

2年以上前に、WhatsAppはインドでユーザーが2億人に達したと明らかにしていた。WhatsApp(Facebook)はそれ以来、インドにおける具体的なユーザー数を公開していなかった。

今回の数字で、インドにおいて優勢であることをFacebookは再確認したはずだ。インドではほぼすべてのスマホユーザーがWhatsAppを使っていることになる。調査会社のCounterpointによると、インドには4億5000万ものスマホユーザーがいる(一部の調査会社は若干少なく見積もっている)。

WhatsAppがフィーチャーフォン向けのモバイルオペレーティングシステムのKaiOSをサポートしていることは指摘するに値するだろう。インドではこれまでにKaiOSで動く何百万ものJioPhone端末が出荷された。加えて、複数の業界予測によるとインターネットユーザーは5億人だ。

WhatsAppがインドでユビキタスなものになるにつれ、サービスは急速的にさらなるニーズに応えるものになっていて、ソーシャルコマースアプリのMeeshoのようなビジネスがWhatsApp上で構築された。Facebookは最近Meeshoに出資し、これはFacebookにとってインドのスタートアップへの初の投資となった。そしてもちろんWhatsAppはインドで誤った情報を拡散したとして困った事態にも陥っている。

ByteDance(バイトダンス)や他の企業がインドで積極的に事業を拡大するにつれ、Facebookのインドにおけるこれまでの優勢はここ数カ月脅かされている。インドで1億2000万人ものユーザーを獲得しているByteDanceのTikTokはFacebookの最大のライバルだとされている。

WhatsAppの広報はまた、WhatsAppにとってインドが依然として最大のマーケットであるとTechCrunchに対し語った。2017年にFacebookはインドにユーザー2億5000万人を抱えていると話していた。この数字は数年間アップデートされていない。

世界で約15億人もの月間アクティブユーザーを抱えるWhatsAppは、インドでは大きな競争相手はいない。この国で競争相手になりそうなのは、Facebookが展開する他のプラットフォームであるMessengerと、デイリーアクティブユーザーが数百万人のHikeだ。いくつかのニュースプラットフォームやエンターテイメントサービスなどを手がけるインドのインターネット複合企業Times Internetは毎月インドで4億5000万人ものアクティブユーザーがいるとしている。

前述の記者会見でWhatsAppのグローバル責任者のWill Cathcart(ウィル・カスカート)氏は、WhatsAppが支払いサービスのWhatsApp Payを全ユーザー向けに年末までに展開する計画だと述べた。これについてはTechCrunchも以前取り上げている。

増加の一途をたどっているインドの支払いサービスの分野への参入は、Google Pay、FlipkartのPhonePe、そしてPaytmとの間に緊張を生むことになるかもしれない。Facebookは現在のところ暗号通貨ウォレットCalibraをインドで展開する計画はなく、WhatsApp Payの成功は重要なものだ、とTechCrunchに対し語った。

今週あった発表の中ではまた、WhatsAppは女性の起業を促進するためにNITI Aayogとタイアップすることも明らかにした。「Gateway to a billion opportunitiesとデジタルスキルトレーニングプログラムを立ち上げることで、すでに展開されている素晴らしい取り組みに光を当て、次世代の起業家を育てたい」とカスカート氏は語った。

7月24日にムンバイで開かれた会議で、カスカート氏はインドの公共政策の大学院との提携を発表した。これは公共政策、プロダクトデザイン、マネジメントの理論とプラクティスについてのインド初のプログラムで、将来、政策立案を担う人たちにプライバシーデザインのワークショップを提供する。WhatsAppは、こうしたワークショップでは「テクノロジーが社会にポジティブな影響を与えるものになるよう、プライバシーを重視したデザインの重要性やプラクティスを模索することになる」としている。

イメージクレジット: Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)