WhatsAppのユーザー数が20億人に、2年前から5億人増

人気のメッセージアプリWhatsApp(ワッツアップ)は2月12日、どれくらい大きな存在になったのかを自ら示した。Facebook(フェイスブック)傘下のWhatsAppはユーザー数が20億人に達し、2年前に明らかにした15億人から大きく増えた。同アプリは広告なしを維持しており、ユーザーに課金もしていない。

ユーザー数が20億人を超えたFacebookのアプリとしては2つ目で、1つ目のFacebookアプリのユーザー数は25億人となる。Facebookは1月下旬の決算報告で、毎日FacebookかMessenger、Instagram、WhatsAppのどれかを利用するユーザーは22億6000万人で、前四半期の22億人から増えていると話した。これらのアプリファミリーの総月間ユーザー数は28億9000万人で対前年比9%増だ。

11年前に始まったWhatsAppは6年前、Facebookに190億ドル(約2兆900億円)で買収された。WhatsAppは本日、世界中の全顧客にエンドトゥーエンドの暗号化を提供している、とあらためて述べた。これはセキュリティ専門家が称賛する重要な機能だが、多くの国の政府が邪魔者扱いするものでもある。

「強固な暗号化は、ユーザーがWhatsAppで送信した情報を安全に保つことができる、破ることのできないデジタル鍵のようなものだ。これはハッカーや犯罪からユーザーを守る。メッセージはデバイス内でのみ保存され、誰もあなたのメッセージを読んだり、通話を聞いたりできない。我々ですらできない。ユーザーのプライベートな会話はどこにも漏れない」とWhatsAppはブログに投稿している。

各国政府の中でも、ことさらWhatsAppに暗号化をやめさせようとしているのはインド(WhatsAppの最大のマーケットであり、ユーザー数は4億人)、オーストラリア、そして米国だ。

WhatsAppのCEOであるWill Cathcart(ウィル・キャスカート)氏は過去に、メッセージプラットフォームはユーザーのプライバシーと闘うことになる、と述べている。この発言は昨年10月、ターゲットのスマホに侵入するために何百回も使われたものを作ったとして、モバイル監視アプリのイスラエルメーカーNSO Groupを連邦裁判所に提訴した際のものだ。

「強固な暗号化は現代では不可欠なものだ。我々はセキュリティに関しては妥協しない。なぜなら、妥協すると人々の安全が損なわれるからだ。ユーザーの保護をさらに強化するために、我々はトップのセキュリティ専門家と手を携えている。そして、プライバシーを犠牲にすることなく誤使用を阻止し、ユーザーに問題を報告する手段を提供するという、業界でも最先端をいくテクノロジーを展開している」とWhatsAppは述べた。

ユーザー数20億人というマイルストーンはWhatsAppにとって大きなものだ。インドのような発展途上国ではマーケティングすることなしにかなりの人気を集めてきた。インドでは多くの人にとって通話もテキストもかなり高価だ。インドでかなり浸透しているアプリはWhatsAppをおいて他にはない。

だが、WhatsAppが世界中のユーザー数をもってしても、Facebookの決算にしっかりと貢献するのは難しい。近年、WhatsAppは顧客とつながることができる事業所向けのツールを導入した。しかしそれよりも興味深いことが別のところで起こっている。

開発途上マーケットの何十ものスタートアップがWhatsAppで事業を構築しているのだ。Y Combinatorが支援するスタートアップであるVahanデリバリースタートアップが労働者を探すのをサポートするのにWhatsAppを活用している。ハイデラバード拠点のスタートアップDigi-Prexは、慢性的な持病を抱える患者向けのオンラインサブスク薬局を運営している。患者はWhatsAppを通じてDigi-Prexと処方箋を共有し、Digi-Prexのスタッフが定期的に患者のもとに薬を届ける。

だが、インドにおけるかなりのWhatsApp人気は、別の問題を引き起こした。現実世界でぞっとするような事件を起こすことになった偽情報を拡散するのにWhatsAppが使用された。こうした事態を受け、WhatsAppはプロダクトに変更を加え、さらにはユーザーを教育するキャンペーンを展開しているが、道のりは長い。

画像クレジット:Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi