インドでのTikTokに対する何百万件もの批判レビューをグーグルが削除
インドに何億人ものユーザーを抱えるByteDance(バイトダンス)のショートビデオアプリTikTok(ティクトック)にとって、インドは中国外で最大のマーケットだ。そのインドで、多くの人の目に触れることになったビデオを配信した後、批判にさらされている。
中国の大企業ByteDanceの宝的アプリであるTikTokで出回っていたいくつかのビデオに対して多くのユーザーが嫌悪感を示し、過去3週間にわたって「BanTikTok」「DeleteTikTok,」「BlockTikTok」といったフレーズがインドのTwitter(ツイッター )上でトレンドとなっている。
ユーザーは、家庭内暴力や動物虐待、人種差別、児童虐待、女性のモノ扱いを促進するような数多くのTikTokのビデオを見つけ、Twitter上でシェアした。
その結果、何百万という人々がGoogle PlayストアでTikTokにスター1つという評価をつけ、批判的なレビューを投稿することとなった。TikTokのグローバル評価は4.5だったのが、Google(グーグル)が介入する前の今月初めには1.2まで下がった。
グーグルの広報担当は、虐待の拡散を抑えるための措置として、同社はユーザーが投稿した数多くの批判的なTikTokレビューを削除した、と話した。対応後、TikTokの評価はわずかに上がって1.6となったが、欧州では現在も1.4だ。
「レビューに基づくユーザーのアプリ満足度を示す総合評価は、一時期86%から39%へと落ちた」とモバイル分析会社のApptopiaはTechCrunchに語った。
アプリに対して憤慨するという現象は目新しいものではなく、インドだけでもいくつかの例がある。たとえば、Snapchat共同創業者の伝えられたコメントが多くのインド人を怒らせ、そうした人々が誤ってSnapdealのeコマースアプリを削除(Gadget 360記事)し、無残な評価となった例もある。
しかし今回の件は、ソーシャルメディアインフルエンサーのFaizal Siddiqui氏が酸攻撃のパロディービデオを投稿した後に問題が大きくなり、TikTokのインドにおけるコンテンツモデレーションの取り組みに注意が注がれることになった。インドのTikTokユーザー数は昨年後半に2億人に達した(未訳記事)。
インドの政治家Maneka Sanjay Gandhi(マネーカー・ガンディ)氏は、TikTokとインド事業責任者がフィードバックに耳を傾けず、傷つけるような内容のビデオを調べず、指摘を受けたにもかかわらずそうしたビデオを投稿したユーザーに責任を押し付けていたと主張した(Twitter投稿)。
声明文の中で、TikTokの広報担当は「TikTokを利用する人の安全を守ることは最優先事項であり、当社の利用規約やコミュニティガイドラインにはどのようなことが許されないのかを明記してあることをはっきりとさせておく。ポリシーにより、他人の安全性を損なうリスクがあるコンテンツ、あるいは物理的な危害を加えたり、女性への暴力を称賛するようなコンテンツを当社は許さない。問題の行いは当社のガイドラインを守っておらず、我々はコンテンツを調べ、アカウントを凍結した。法執行当局とも連携を取っている」
しかしByteDanceはインドに何人のモデレーターを配置しているのか、どれくらい積極的に不快コンテンツを取り除いているのか(取り組んでいればの話しだが)明らかにしなかった。インドでByteDanceに厳しい精査の目が向けられるのは今回が初めてではない。
昨年、インドの高等裁判所はポルノや不法コンテンツを理由(未訳記事)にGoogleとAppleにTikTokアプリの配信を停止するよう命じた。禁止命令は数週間後に解除(未訳記事)された。
画像クレジット: Presley Ann / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)