アップルの次期「マップ」ではビルの形状をiPhoneでスキャンして場所を絞り込める
iOS 14でApple(アップル)は、純正の「マップ」アプリに重要な新機能を加える予定だ。例えば、自転車のための経路指示、電気自動車(EV)のための経路案内、そしてキュレーションガイドといったものが含まれる。だがアプリにはさらに賢い機能も追加される。
正確な位置を取得できない密集した地域で「マップ」アプリは、ユーザーにiPhoneで通りの向こうのビルをカメラでスキャンするように促す。これにより現在地をより詳細に特定するのだ。
ご想像のとおり、この機能はGoogleストリートビューにインスパイアされた「マップ」アプリの機能である、Look Around(ルックアラウンド)に基づいている。Look Aroundは、通りを歩いていく際に、周囲の景色を見せてくれる機能だ。すべてが3Dで前景と背景を区別できるので、「マップ」アプリはストリートビューよりも多少洗練されている。
Look Aroundは現在のところ、サンフランシスコ、ニューヨーク、シカゴ、ワシントンDC、ラスベガスなど、ごく一部の米国の都市でのみ利用できる。だがアップルは今でも拡張を続けていて、6月29日にはシアトルへ、そして今秋には日本の主要都市への拡大が予定されている。徒歩でのみアクセスできるエリアの一部も、将来的には利用可能になる。ビルの形をスキャンして位置を調整しても、アップルはもちろんサーバーにデータを送信しない。マッチングはデバイス上で行われる。
キュレーションガイド機能に関しては同社は、AllTrails、Lonely Planet、The Infatuation、Washington Post、Louis Vuittonなどと提携して、キュレーションされた場所のリストをアプリに追加している。
検索バーをタップして検索カードを下にスクロールすると、近隣の場所に関するガイドが表示される。ガイドを開くと、地図上ですべての場所を表示したり、ガイド自体の中でそれらの場所をリストビューで表示したりすることができる。場所を共有してユーザー自身が作成したガイドに保存することも可能だ。同社は現在のバージョンの「マップ」ではそうした自作ガイドをコレクションと呼んでいる。
頻繁にチェックしたい場合には、キュレートされたガイドもまとめて保存しておくことができる。場所は自動的に更新される。
EV経路案内については、ユーザーは「マップ」に自分の車のを追加し、名前をつけて、充電装置のタイプを選ぶことができる。現段階ではBMWならびにフォードと提携している。ルートを計画する際に、利用する車を選択できるようになった。電気自動車を選択すれば、「マップ」が途中の充電スポットを追加する。スポットをタップすれば、それが無料か有料かやコネクタのタイプを確認できる。
またWazeユーザーは、制限速度を超えている場合に「マップ」が警告できるようになることを知って喜んでいる。地図上に速度監視カメラと赤信号監視カメラの場所を表示することもできる。
渋滞ゾーンとナンバープレートによるアクセス規制がある一部の都市では、ナンバープレートを追加することができる。情報はデバイス上に保持される。そうした都市向けの経路指示も調整される。
最後になるが、私のお気に入りの新機能は自転車向け経路指示だ。当初は、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、上海、北京でのみ利用できるようになる。アップルは、サイクリングパスや標高差といった、すべての適切なパラメーターを考慮に入れている。分岐点ごとの経路指示は、運転用の経路指示と比べるとフレーミングやより縦長のビューという点が異なっている。
Googleマップにも自転車用ルートが表示されるが、これは使い物にならない。「マップ」の自転車向け経路指示が実際に使い物になるのかどうかを試す日が待ち遠しい。「マップ」の新しいバージョンは今秋にiOS 14とともに出荷される。
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(翻訳:sako)