テスラと係争中の中国EVスタートアップXpengが約535億円調達

Alibaba(アリババ)の前幹部であるHe Xiaopeng(何小鵬)氏が経営する電気自動車スタートアップのXpeng(シャオペン)は米国時間7月20日、シリーズC+ラウンドで5億ドル(約540億円)を調達したと発表した。中国のテック好き中流階級の消費者向けモデルのさらなる開発にあてる。

今回の調達は2019年11月にクローズした4億ドル(約430億円)のシリーズCラウンド(未訳記事)に続くものだ。とある情報筋はTechCrunchに対して、Xpengバリュエーションが2018年8月のラウンド時点で250億元(約3840億円)を超えていた、と明らかにした。

新たなラウンドにより、創業5年のXpengの累計調達額は17億ドル(約1820億円)になった。

この1年の間、XpengはTesla(テスラ)と法的闘争を展開してきた。Teslaは同社で働いていたエンジニアがXpengに移る前にAutopilotのソースコードを盗んだ、と主張している(Reuters記事)。エンジニアのCao Guangzhi氏はTeslaのソースコードの一部をダウンロードしたことを認めた(Bloomberg記事)が、Teslaを退職する前にすべてのファイルを削除したと述べた。

Teslaは、ソースコードやコンピューター画像などの証拠を求め、Xpengに対して召喚の手続きを進めた。この動きをXpengは「若い競合相手をいじめて潰すもの」と表現した(Bloomberg記事)。現在も続く新型コロナウイルスパンデミックにより裁判は遅れている

Xpengの最新ラウンドの投資家には、香港拠点のプライベートエクイティ会社 Aspex Management、有名な米国テックヘッジファンドのCoatue Management、中国のトッププライベートエクイティファンドのHillhouse Capital、そしてSequoia Capital Chinaが含まれる。よく知られている既存投資家としてはFoxconn、Xiaomi、GGV Capital、Morningside Venture Capital、IDG Capital、Primavera Capitalなどが名を連ねる。

多額のラウンドであるにもかかわらず、Xpengには多くの困難が待ち受ける。中国の電気自動車販売は、中国政府が2019年に補助金を減らしたために縮小している(The Wallstreet Journal記事)。また新型コロナパンデミックによる経済停滞でさらに需要が弱まるとことが予想される(Reuters記事)。

Xpengの中国メーカーのライバルで、TencentやFAW Group、Foxconnなどそうそうたる企業から出資を受けているByton(バイトン)はすでに苦境にある。北米拠点の450人のスタッフのおおよそ半分を新型コロナ影響のために一時帰休とした。そして2020年6月には社内再編のために生産を一時中止した。

Xpengの他の競合相手は体力があるようだ。ナスダックに上場しているNio(ニオ)は2020年4月に10億ドル(約1070億円)の資金を確保(未訳記事)し、Li Auto(リオート)は米国での7月上場を目指して申請書提出を行った(Reuters記事)。

Xpengはこれまでのところ新型コロナの影響に耐えられると主張している。同社は2020年5月に、本社を置く広州市の近くにある完全自社プラントの生産許可を取得した(Xpengリリース)。これは、生産パートナーであるHaima Automobile(ハイマー・オートモービル)への依存抑制を意味する。

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カテゴリー:モビリティ

タグ:電気自動車 資金調達 Xpeng

画像クレジット:Inside Xpeng’s fully-owned car plant. Source: Xpeng

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(翻訳:Mizoguchi