開発者の生産性とコードの品質を分析するプラットフォームのMericoが約4.35億円を調達

Mericoは、開発者の生産性とコードの品質をより深く知ることを目指すスタートアップだ。同社は米国時間8月12日、シードラウンドで410万ドル(約4億3500万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはGGV Capitalで、Legend Starとこれまでにも投資していたPolychain Capitalが参加した。Mericoはもともと、オープンソース関連に投資をしているOSS Capitalから資金提供を受けていた。

Mericoの創業者でCEOのJinglei Ren(ジンレイ・レン)氏は「Mericoのミッションは、すべての開発者がより良いものを作り、多くの価値を実現するよう支援することだ。我々はGGV Capitalをはじめとする投資家がソフトウェア開発のプロセスに有用なデータを提供する意義を理解してくれたことをとても嬉しく思っている。現在、世界ではリモートでのコントリビューションの重要性が増している。我々はこれからも、企業とオープンソースソフトウェアチームの両方に役立つ、実用的で知見に満ちた評価基準の提供を追求していく」と述べている。

Mericoのビジネスデベロップメント責任者であるMaxim Wheatley(マキシム・ホイートリー)氏はTechCrunch筆者に対し、今回の調達で得た資金を使ってこれまでのテクノロジーとマーケティングの取り組みを強化し、さらに広げていく計画だと語った。Mericoはリモートファーストのスタートアップですでに米国、ブラジル、フランス、カナダ、インド、中国にチームメンバーがいる。

ホイートリー氏は「我々のルーツとミッションはオープンソースにある。これを踏まえて我々は新たに得たリソースの一部でオープンソースのファウンデーション、コントリビューター、メンテナーとの連携を深めていく」と補足した。

Mericoの背景となったアイデアは2つの重要な考えから生まれたとホイートリー氏はいう。まず、開発者の生産性と開発者が書くコードの品質を分析する優れた方法を作りたいと考えていた。例えば、単純に開発者が書いたコードの行数からボーナスを決める企業もまだある。これはどう見ても優れた評価基準とはいえない。また、オープンソースのプロジェクトに関わるコミュニティメンバーの貢献の質に応じて収益と評価を割り当てる方法を見つけたいとも考えていた。

Mericoのツールはシステムに依存しない。例えばコードの行数やコミット数を見るのではなく、コードベースとワークフローの分析に基づくツールだからだ。

MericoのCTOであるHezheng Yin(ホージョン・イン)氏は「Mericoは実際のコードだけでなく関連するプロセスを評価し、品質と影響の観点から生産性を捉える。このプロセスで我々は依存関係を活用して影響を評価し、バグ密度や冗長性、モジュール性、テストカバレッジ、ドキュメントのカバレッジ、コードスメルといった品質の基本的な指標を調べる。こうした指標を1つにまとめることで、開発者やチームの品質と生産性を判断できる。これは、仕事の本質をより正確に反映しているといえる」と述べる。

現時点でMericoはJava、JavaScript(Vue.jsとReact.js)、TypeScript、Go、C、C++、Ruby、Pythonで書かれたコードに対応している。その他の言語にも今後対応する予定だ。

GGV CapitalのJenny Lee(ジェニー・リー)氏は「Mericoのテクノロジーは、我々がこれまで市場で見てきた中で最も先進的なコード分析を実現する。Mericoのチームを見て、我々は知見によってこれからの組織を高めるチャンスがあると考えた。リモートトランスフォーメーションが起きている今の時代において、企業とオープンソースにこうした可視性をもたらすことはかつてないほど重要だ。我々はこの技術がテクノロジーとマネジメントの両面でイノベーションを加速させることをとても楽しみにしている」と述べた。

カテゴリー:ソフトウェア

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画像クレジット:Wutthichai Luemuang / EyeEm / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)