数学学習アプリのPhotomathが24.3億円調達、2億2000万ダウンロード突破
方程式を解くのを助けてくれる人気のモバイルアプリPhotomathが、Menlo VenturesがリードするシリーズBの投資ラウンドで2300万ドル(約24億3000万円)を調達した。アプリは大成功した消費者向けアプリであり、自分の家にティーンエイジャーがいる人なら、すでにご存知だろう。
このアプリはまず最初に、スマートフォンのカメラに数学の問題を読ませる。するとアプリは、解き方を1つひとつの説明してくれる。何でも楽をしたい学生にとっては、理想のアプリかもしれない。
Photomathの使い方は実に多様だ。たとえばノートに書いた方程式からPhotomathはグラフを描くこともできる。
キーボードで方程式をタイプするのは、かなり難しい。そこで、紙やペンという物理的世界とスマートフォンとの間にあるギャップの橋渡しをしたことが、Photomathの成功の鍵となっている。ユーザーはペンを握って紙の上に何かを書くだけでいい。つまりPhotomathは、電卓のAR(拡張現実)バージョンともいえる。紙とペンという物理的な現実を、計算能力で拡張する。
今日の投資ラウンドには、GSV VenturesやLearn Capital、Cherubic VenturesそしてGoodwater Capitalが参加した。
このアプリの成功裏話はおもしろい。Photomathは当初、MicroBlinkという企業のためのデモアプリとして設計された。当時チームは、テキスト認識技術に取り組んでおり、自分たちのコア技術が役に立つさまざまな企業に、技術を売る売ることを考えた。
2014年には、ロンドンのTechCrunch Disruptで彼らは、MicroBlinkを売り込んだ。そうするとひと晩で、PhotomathはiOSアプリストアのトップに躍り出た。
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Photomathはこれまでに、2億2000万回以上ダウンロードされている。本稿を書いている時点で米国のアプリストアでは59位で、Tinderの1つ上だ。真似をしようとした企業は多かったが、どこもこのヨーロッパの小さなスタートアップを負かすことはできなかった。
アプリは、子どもたちが家で勉強するようになってから、さらに利用されている。手を上げて助けを求める先生がいなくても、十分に勉強できる。
Photomathは無料だが、有料版のPhotomath Plusもある。こちらはアニメを使って解き方を説明するなど、さまざまな機能がある。
カテゴリー:EdTech
タグ:Photomath、アプリ、数学
画像クレジット:Photomath
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(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)