認証済み匿名ユーザーのソーシャルネットワーク「Blind」が40.3億円を調達

Blind(ブラインド)はソーシャルネットワークの世界で独特のニッチを作りあげた。このアプリでは、認証済みの匿名従業員が、レイオフから昇進、ポリシーまで自分たちの会社で起きているあらゆることを互いに交換し合う。LinkedInのようなRedditのようなSlackのようでもあるそのアプリは、シリコンバレー企業のテックワーカーの間で人気を博し、さらにはテック業界以外にも広がり、500万人の認証済みユーザーがいる。
職場環境が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以降、劇的に変わり、リモートワークが当たり前になった今、会社や同僚と疎遠になったと感じている多くの従業員にとってBlindはなくてはならない存在になった。
同社は米国時間5月10日、3700万ドル(約40億3000万円)のシリーズCラウンドを、韓国のベンチャーキャピタルであるMainstreet Investmentのリードで完了したことを発表した。他にCisco Investments、およびシンガポールの政府系資産ファンド、Temasek傘下のPavilion Capitalも参加した。同社は、2021年3月後半に約2050万ドル(約22億3000万円)のフォームD申請書を提出しており、3700万ドルは最終的な総調達金額である。
TechCrunchは2018年にこの会社を詳しく紹介している。今回何が変わったのか?1つはパンデミックが起きたこと。共同ファウンダーでゼネラルマネージャーのKyum Kim(キュム・キム)氏は、Blindのユーザーは1日を通してアプリに訪れるようになったという。「以前は通勤時間が利用のピークでした」と彼はいう。「新型コロナ前は午前8~10時と就業後の午後7時~10時がみんながBlindを多く使う時間帯でした。それが今は、1日中ほぼ平坦になりました」。新たなピークは午後2時で、キム氏によると、ユーザーは月間約30回、13~15日間にわたってログインしている。
その結果、Bindが収益化の実験をしている2つの領域のうち1つに結びついた。リモートワークが、特にテック企業で定着したことで、社内メッセージングチャンネルは会社幹部からの明確な情報源としての価値が小さくなった。Blindは、社員が会社のポリシーや経営者をどう思っているかをよく理解していると信じており、たとえばパルス調査を行うことで、他では得られないような分析結果を人事部門に提供するなどさまざまなツールなどを開発している。
「人は当社のプラットフォームにいるときの方が、会社が提供しているチャンネルにいる時よりも正直になる、ということです」とキム氏は言った。「私たちは、有志が集まり、互いの意図や自分の会社のポリシーをどう感じているかが透明なおそらく唯一のプラットフォームです」。Blindはユーザーの身元を保護しながら、集合知による洞察を会社に提供する。
先週同社は、Young Yuk(ユン・ユク)氏を最高製品責任者として採用した。ユク氏は過去4年間Blindのアドバイザーを務めながら、Intuit(インテュイット)、Yelp(イェルプ)、Glassdoor(グラスドア)で製品担当の上級職として働いていた。キム氏は、ユク氏の消費者から大企業までに渡る経験は、消費者向けソーシャルネットワークとB2B製品を組み合わせたBlindビジネスの独特なニーズを満たすだろう。
そしてユーザーにとって、2番目の注目分野がおそらく最も興味深い。求職だ。Blindユーザーは、キャリアパスと報酬で頭がいっぱいで、キム氏によると「Blind上の検索ワードの80%は企業名あるいは企業名とレベル、場所、チームの組み合わせ」だ。人はどうやって自分の経歴を高めるかを知りたがっている。それは会社による説明が下手なことでよく知られた領域なので、だから「人々はBlindに、認証済み従業員からの情報を求めてやってくるのです」。
Blindは、同社が「Talent by Blind(タレント・バイ・ブラインド)」と呼ぶものを作っている。転職の意図を捕捉して、リクルーターに売るためのプラットフォームだ。例えばシアトルの大手テック企業のレベル5エンジニア職を希望する人を、企業の採用活動の一次選考に使える別のプラットフォームに紹介する。Blindは、現在いくつかの企業がこのプラットフォームを使っていると述べている。
結局、Blindはゆっくりかつ着実な成長経路をたどってきた。同社はそのアプローチが意図的なものであると言い、匿名コミュニティはしばしば急速に成長しすぎて規範が作られずに失敗すると説明した。Secret(シークレット)やYikYak(イクヤク)といった過去の有名な匿名コミュニティとは異なり、Blindのネットワークはかなり安全である、なぜならユーザーの身元は確認済で、自分の同僚と直接話していることを知っているからだとBlindはいう。
収益化の方法はまだ実験段階だが、つまるところ、重要なのは企業が話を聞きたいと思うユーザーを集めることだ。それは企業自身の従業員であり将来の従業員でもある。「私たちはユーザーとの誠実な関係を維持していきます」とキム氏は言った。「『従業員の同志で企業のアドバイザー』は私たちがやろうとしていることを表す言葉です」。
「このビジネスを始めてから8年間、長く続けることに焦点を合わせてきました」と彼はいう。「会社には楽観的要因がたくさんあります」。彼はそれを知っているのだろう、おそらくBlindをチェックして。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Blind、SNS、資金調達
画像クレジット:Keith Bedford/Bloomberg / Getty Images
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(文:Danny Crichton、翻訳:Nob Takahashi / facebook )




