グーグルがクロスプラットフォームUIツールキット「Flutter」をアップデート
モバイルとデスクトップのアプリを開発するためのGoogle(グーグル)のクロスプラットフォームUIツールキットであるFlutterの、小さいながらも重要なアップデートが米国時間5月18日に開かれたI/O開発者会議で発表された。同社はFlutterが現在、Play Storeだけで20万ものアプリに使われていることも明らかにした。ここにはWeChat、ByteDance、BMW、Grab、DiDiといった企業の人気アプリも含まれる。実にPlay Storeの新アプリの8つに1つがFlutterアプリとのことだ。
Flutter 2.2の立ち上げはFlutter 2の展開に続くもので、Flutter 2では2021年3月に初めてデスクトップアプリとウェブアプリのサポートが追加された。よって今回のアップデートが比較的マイナーであるのは驚きではない。バージョン2で導入された機能を元にアップデートされていて、信頼性とパフォーマンスの改善が図られている。
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例えばバージョン2.2はnull参照の例外に保護を加えるために新プロジェクト向けにnull safetyをデフォルトにしている。パフォーマンスに関しては、ウェブアプリは今、サービスワーカーを使っているバックグラウンドキャッシングが活用できる。一方でAndroidアプリは据え置きのコンポーネントを使うことができ、iOSアプリは最初の駆動をよりスムーズにするためにあらかじめ編集されたシェーダのためのサポートが得られる。
Googleはまた、Flutterアプリをデスクトッププラットフォーム(Windows、macOS、Linux)にもってくるプロセス全体の合理化にも取り組んだ。
しかしGoogleが指摘するように、取り組みの多くが現在エコシステムで進行中だ。Googleそのものの方では、Flutterのための新たな決済プラグインをGoogle Payチームとの提携の下に導入していて、GoogleのFlutterのための広告SDKはアダプティブバナーのフォーマットをサポートしている。一方、Samsung(サムスン)はFlutterをTizenに移植しており、ソニーは埋め込まれたLinuxにFlutterを持ってくるための取り組みを率いている。Adobeはこのほど、同社のデザインツールのためのXD to Flutterプラグインを発表し、Microsoftは5月18日にWindows 10向けUniversal Windows Platform (UWP)アプリのためのFlutterサポートのアルファ版を立ち上げた。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Google、Google I/O 2021、Flutter
画像クレジット:Lyu Liang/VCG / Getty Images
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi)