テスラがノルウェーでの判決を受け最大約243億円の補償金支払いに直面

ノルウェーの調停委員会は、Tesla(テスラ)の電気自動車「Model S(モデルS)」がソフトウェアのアップデートによって充電時間が長くなったことが判明したため、テスラに対しモデルSの所有者に1人あたり200万円を超える補償金を支払うように命じたと、ノルウェーのオンライン新聞「Nettavisen(ネッタビースン)」が報じた。この判決により補償の対象となったオーナーは、各々13万6000クローネ(約243万円)を受け取ることになる。

2020年12月、テスラの車両を所有する30人のドライバーが、同年のソフトウェアアップデート後に充電速度が遅くなったとして、調停委員会に苦情を申し立てた。この性能低下は、2013年から2015年に製造されたテスラ モデルSに生じている。

テスラはこの期間に、ノルウェーで約1万台のモデルSを販売した。これはつまり、テスラが全体で最大13億6000万クローネ(約243億円)の支払いに直面することを意味する、とNettavisenは述べている。

テスラは判決が出る前にはこの苦情に応じていなかった。罰金の支払期限は5月30日までとなっている。同社は6月17日までに、判決を不服としてオスロ調停委員会に訴えることができる。

テスラが充電速度に関する苦情で訴えられたことは、今回が初めてではない。2019年には米国のあるテスラ車オーナーが、ソフトウェアのアップデート後に航続距離の減少や詐欺行為があったとして、カリフォルニア州北部地区の連邦裁判所にこのEVメーカーを提訴した。

ノルウェー道路交通情報評議会(Opplysningsradet for Veitrafikken)によると、新車販売台数に占めるEVの割合がノルウェーは欧州で最も多く、2020年に同国で販売された全新車のうち、54.3%がバッテリー電気自動車だったという。販売台数が最も多かったのはAudi(アウディ)の「e-tron(eトロン)」で、2番目がテスラの「Model 3(モデル3)」だった。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla裁判Model Sノルウェー電気自動車

画像クレジット:Tesla

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)