アップルがiOS 15で「通知」を改良、新機能「集中モード」「サマリー」でよりパーソナルに
iOS 15へのアップデートの一環として、Apple(アップル)はiPhoneユーザーが現在のステータスに基づいて、着信、メール、アプリからのアップデートに関してその通知方法をさらにカスタマイズできるようにする。新機能「集中モード」では「おやすみモード」で通話や通知を遮断するだけでなく、運転中、仕事中、睡眠中などのステータスに応じて、さまざまな種類の通知設定が行えるようになる。
また、システムに搭載されたAIが、その時のユーザーの状態を判断。例えば、ジムに到着したら通知をオフにするよう提案するといったことも行う。
新機能の「集中モード」では、いつ、どのように通知を受けたいか、通知の方法とタイミングをカスタマイズできる。例えば、同僚やメール、カレンダー、Slackなどのアプリからのみ通知を受けるように設定可能だ。また、ホーム画面上をFocusに合わせたページにして、仕事用アプリだけを表示させて、アプリやウィジェットを整理し誘惑を減らせる。また、Focusを使用することですべてのAppleデバイスにも同期されるとAppleは説明している。
通知機能も新しくなり、連絡先の写真が表示され、アプリのアイコンが大きくなり識別しやすくなる。
2019年、Tim Cook(ティム・クック)氏は、自身が多くの通知をミュートにしていたことを認め「Appleは、ユーザーの使用時間をできるだけ長くしたいと思ったことはない。私たちはそのようなことをしたことはない」と述べたのは有名だ。しかし我々はこれに反論し、Appleはリアルタイムではなく、スケジュールに沿って通知を配信するシステムを設計することができたはずだと述べた。
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また、Appleは「Notification Summary(通知サマリー)」という機能を搭載する。この機能は受信した通知を時間帯などに応じてまとめ、優先順位をつけて表示する。このサマリーは、朝や夜など、任意の時間に配信されるようにスケジュールできる。
Appleによると、ユーザーのアプリケーションの使い方に基づいたデバイスインテリジェンスを使って、この「まとめ」をアレンジし、すばやくキャッチアップしやすくするという。サマリーでは、最も重要な通知が、あまり重要でない通知の上に表示される。
もう1つの変更点は「Do Not Disturb(おやすみモード)」がiMessageに直接統合されたことだ。これにより、着信音に煩わされたくないとき、他のユーザーもそれがわかるようになる。
おやすみモードを使用しているときには、iMessageにそのステータスが自動的に表示されるようになる。また、本当に緊急なメッセージの場合であれば、連絡できる方法はあるとAppleは説明している。
また、時間帯ごとに大きなブロックとして説明文を送るように設定することも可能だ。これまでのiOSバージョンと比べて、ロック画面の通知がよりインタラクティブなものになる。
これらの機能は、ユーザーに合わせてスマートフォンをよりパーソナライズすることに関わるもので、何年も前にAndroidデバイスで人気を博した、AviateやEverythingMeといった自分の行動や時間帯などに応じてデバイスをカスタマイズするスマートランチャーを思い起こさせる。Appleは、サードパーティ製のアプリが自社のモバイルOSと深く統合したり、デバイスのホーム画面を再設定することを許可していないため、これらのアプリはiOSでは普及することはなかった。
しかし、最近のAppleは、ウィジェットや「Siriからの提案」の導入など、ユーザーの好みをより反映させるためにiPhoneをカスタマイズしており、ホーム画面上におすすめのアプリをウィジェットで表示することもできるようになっている。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Apple、WWDC 2021、WWDC、iOS、iOS 15、iPhone、通知
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(文:Brian Heater、Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)