Appleの噂を否定する噂、の噂?

Appleの〈噂経済〉にはいつもうっとりさせられる。他のどの会社よりも、人はほんの小さなその情報が本当か、半分本当か、半分ウソか、全くのデマかを巡って熱中する。そして、社外の人間は何ひとつ確実な情報を知ることなどないにもかかわらず、噂は延々と語られる。

おそらく私は誰よりもそれをやっているだろう。Appleが現在最も重要なテクノロジー企業であることははほぼ間違いないし、最も価値の高いテクノロジー企業であることに議論の余地はない。憶測は楽しいし、中には示唆に富むものさえある。しかし今日(米国時間2/22)事態は全く新しい段階に入った。

今日の午前、一つならず二つも、Appleにとって非常に悪いニュースが報じられた。一つは Bloombergによる、新しいiPadが6月に遅れるかもしれないという記事。二つ目はBusiness Insiderによる、新型iPhoneが9月にずれ込む可能性があるという情報だ。いずれもAppleにとって最悪のニュースである。誰もがiPad 2は去年と同じ3~4月に発売されるものと思い込んでいた。同じく、iPhone 5は例年通り6~7月の時期に。

そして、CEO Steve Jobsが病気療養中であることを踏まえれば、これを、日頃順調に回っているAppleの歯車が狂い始めたと解釈する向きがあることは間違いない。実際、このニュースによって株価は下落し始めた。

唯一の問題。それは、どちらの記事も真実ではないことだ。

正直なところ、そもそも信じる人がいたことに少々驚かされる。いずれの記事もアナリストの話に基づいている。Bloombergの記事は、Yanta Securitiesのアナリスト、Vincent ChenとAlison Chenが出元で、Business Insiderの情報はFBR Capital Marketsのアナリスト、Craig Bergerによる。Appleのニュースをある程度の期間扱ったことのある者なら誰でも知っていることがある。ことAppleの情報に関して、絶対にアナリストの言うことを信じてはいけない。絶対に。

Appleの噂に関して、トップクラスのAppleブロガーが.500を打っているとすれば ― Appleアナリストの打率はおそらく.050だろう。もっと低いかもしれない。正直私はもっとずっと低いと信じている。彼らの「チェック」や「レポート」の殆どが全くのクズだ。Appleの「プロフェッショナル」アナリストが何か言うたびに、その逆を言いさえすれば誰でも天才にみえる。BloombergもBusiness Insiderもまるでわかっちゃいない。

しかし、状況は双方向に向かいつつある。

今日の噂が広まり株価が下がり始めると、この噂が全く真実ではないという声が出てきた。実際、その直後にわれわれは、Appleが来週iPad 2の発表イベントを開くという情報を得ている。この非常にタイムリーかつ非常に正確な情報がどこから来たのか、推論してみよう。

ここ数週間のAppleに関するニュースを詳しく追っていると、いくつかの主要メディアから、他の噂を直接否定する「反対の噂」が出ていることがわかる。

このところ、根拠の薄い噂に続いて、それに強く反対する〈否定噂〉が出てくるという状態が続いている。そして正確には、こうした否定噂は、〈いつも言われるが誰も見たことのない「本件をよく知る人物」から得た情報〉という意味での「噂」ではない。実際、私はその出所を正確に知っている。

われわれはAppleの噂経済が変化するところを目の当たりにしている。しかしそれは理にかなっている。地球上で最も価値の高いテクノロジー企業ともなれば、そこに賭ける物も賭ける人もあまりにも多いのである。

[写真提供:flickr/takomabibelot]

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(翻訳:Nob Takahashi)