アメリカ上院でクラウドファンド法案が大差で可決―その意義を法案推進の中心人物に聞いた
クラウンドファンド法案(Crowdfund Act)がアメリカ上院で73対26の大差で可決された。この法案は一般市民が非公開企業に投資する際の制限を大幅に緩和するものだ。下院では昨年秋にすでに可決されている。しかし法案の審議過程というのは当然ながら非常に複雑だ。そこでわれわれはCrowdfunder.comのファウンダー、CEOのChance Barnettにスタートアップ、投資家、テクノロジー世界全体に対する影響について解説を求めた。
上のビデオにインタビューの全体が記録されていが、Barnettは何年も前からクラウンドファンディングの実現に奔走してきており、法制化の過程やビジネスへの影響について非常に詳しい知識がある。以下にインタビューの内容のポイントをいくつか簡単にまとめておこう。
クラウンドファンディングはキックスターターではない
すでにKickstarterやIndieGoGoのような形でクラウンドファンディングが行われているではないかと疑問に感じた読者もいるかもしれない。しかし実はそうではない。現在アメリカでは一般市民が未公開株に投資することは厳しく制限されている。投資するためには投資家の適格性を認証される必要があり、そのためには100万ドル以上の純資産の所有など多数の要件がある。
Barnettの説明によれば、Kickstarterのような仕組みは実は投資ではなく寄付モデルなのだという。われわれは自分の気に入ったプロジェクトに資金を与えることができる、会社側はその見返りにTシャツや製品をプレゼントしてくれる。しかし資金の提供者は見返りに会社の持分を得るわけではない。クラウドファンド法が成立すれば、一般の個人が特に資格を必要とせず未公開企業に投資して実際に株式を取得できるようになる。つまり会社が利益を生み始めれば配当を得られる(会社失敗すれば投資した金を失う)。
エンジェル投資家やベンチャーキャピタリストの仕事がなくなるわけではない
クラウンドファンディングの福音によって既存の資金調達チャンネルが不要になるというわけではない。 Barnettによれば彼自身のCrowdfunder.comも含めて、クラウンドファンディングはAngelListのようなサービスとライバル関係に立つものではないという。むしろクラウンドファンディングはエンジェル投資家やベンチャーキャピタリストの仕事を補完するものだ。スタートアップはエンジェルやベンチャーキャピタリストをメンターとして指導、助言を受ける必要がある。これはクラウンドファンディングには望めない。一方クラウンドファンディングは初期段階のスタートアップがつなぎ段階の資金を調達するのに役立つだろう。つまりインキュベータを卒業した後、伝統的なベンチャーキャピタリストから資金を調達できるようになるまでのギャップを埋めるような役割だ。
まだいろいろ手続きが残っている
クラウンドファンド法案が両院で可決されたことは事実だが、Barnettによれば下院案に対して上院が若干の修正を加えているため、今後両院の協議が必要になるという。それがすめば大統領の署名を待つことになる。ホワイトハウスはもともと雇用創出政策の一環としてクラウンドファンディングを支持していたのでできるだけ早く署名するだろう。その後証券取引委員会(SEC)が投資家保護が十分であるかどうか検討し、関連規則を定めることになる。
以上のような手続きには数週間、場合によれば数カ月かかる。一般市民が未公開企業の株式を購入できるようになるはその後だ。その結果、テクノロジー業界、ひいてはアメリカ経済全体に大きな変革がもたらされることになろう。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)


