カテゴリー: バイオテック
バイオテック(BioTech)、アグリテック(AgriTech)、遺伝子工学などに関する最新ニュース

資生堂が紫外線によるシミ・シワなど肌のくすみのメカニズムの一端を解明、カギを握るのはTIPARP遺伝子
資生堂は11月29日、太陽光線による皮膚の老化現象「光老化」などの影響で肌がくすみやすくなるメカニズムの一端を解明したことを発表した。光老化は、太陽光に含まれる紫外線によって生じる「シミ・シワ」などの肌の老化現象を指し、肌老化の主要な原因とされる。 これにより、遺伝子「TIPARP」が光老化によりメチル化(遺伝子情報が読み出せなくなる現象)され、肌のくすみを抑制する情報が正常に伝達されなくなることが明らかになった。また、深海に棲息する微生物由来の抽出物がTIPARP遺伝子の発現を促進し、DNAのメチル化を防ぐこともわかった。 TIPA…続きを読む

寿命を延ばす研究に役立つオープンリサーチリソースを立ち上げるLongevicaが約2.8億円調達
ライフサイエンス企業であるLongevica(ロンジェビカ)は現地時間11月24日、オープンリサーチツールを立ち上げると発表した。医薬品試験を行う科学者や研究機関が、1000以上の薬理学的化合物の効果を追跡するデータセットにアクセスできるようにする。 これは、バイオテクノロジー企業である同社の最新の取り組みだ。同社は、健康的な加齢と寿命延伸メカニズムの研究のために、Xploration Capitalがリードしたラウンドで250万ドル(約2億8750万円)を調達した。 Longevicaは4月、研究成果に基づくサプリメントのラインナッ…続きを読む

東京大学がヒトiPS未分化細胞培養における世界最高レベルの超高密度化に成功、細胞あたりの培養コストを8分の1に低減
東京大学大学院工学系研究科は11月22日、未分化(特定の機能を持つ細胞に分化する前)の状態でiPS細胞を超高密度に培養する独自のシステムを開発し、培養コストを1/8に低減できたことを発表した。増殖因子(増殖を促すタンパク質)の量を変えずに8倍の増殖を可能にしたということで、その密度は1mlあたり細胞3200万個と、世界最高となった。 東京大学大学院工学系研究科の酒井康行教授らからなる研究グループは、カネカ、日産化学との共同で、ヒトiPS細胞の未分化増殖のコストを1/8に低減する小規模培養システムを開発した。透析膜で仕切られた上下2つの…続きを読む

タンパク質ベースの医薬品を開発するGenerate BiomedicinesがシリーズBで422億円調達
医薬品開発の分野に引き寄せられる投資が増え続けている。米国時間11月18日には、Generate Biomedicines(ジェネレート・バイオメディシンズ)が3億7000万ドル(約422億円)のシリーズBラウンドを発表した。 同社は、プラットフォームをベースとした医薬品開発のアプローチをうたっているが、独自のひねりを加え、タンパク質に取り組んでいる。 同社の仮説はシンプルだ。自然界(あるいは多くの場合、科学的なデータや文献)にすでに存在するタンパク質とターゲットを結びつけるのではなく、全体像を理解することを目指している。つまり、どの…続きを読む

「臓器もどき」とAIで、医薬品開発のスピードアップと動物実験の削減を目指すイスラエルのQuris
創薬のプロセスに動物実験は必要悪だ。マウス(ハツカネズミ)は特に人間に近いとはいえないものの、マウスを代替するものはないようにも思える。イスラエルを拠点とするQuris(クリス)は「チップ上の患者(複数のオルガノイドをリンクさせたシステム)」のデータとAIとを組み合わせて、マウスを必要としない新開発の本格的な方法で、低コストで極めて信頼性の高い試験と自動化を実現する、と主張している。 同社は、試験運用から実際の生産に移行するために900万ドル(約10億3000万円)を資金調達した。また、錚々(そうそう)たる後援者およびアドバイザーたち…続きを読む

微生物を活用した最先端のバイオテックソリューションPluton Bioscienceが7.4億円調達
現在、我々が生物学と農業の分野で直面している問題の多くは、実は以前、人間ではないある生物体が経験していたものである。自然界のどこかには、科学者や生物工学者が再現するのに悪戦苦闘しているプロセスを、自然かつ効率的に実行してしまう微生物が存在している。Pluton Biosciences(プルトンバイオサイエンス)は、そうした微生物またはそれに類する生命体を見つける方法を開発したという。同社はすでに、アンチモスキート(蚊の駆除)および二酸化炭素隔離の手法をデモしており、その他のデモも準備中である。 地球上には、動物および植物の体内外、およ…続きを読む

岡山大学らが甲虫の「死んだふり」を操る遺伝子の全貌を世界で初めて解明、天敵から逃れる戦略を制御するゲノム
岡山大学は11月8日、甲虫が敵に遭遇したときに「動く」か「動かない」か、つまり逃げるか「死んだふり」をするかの違いがなぜ生まれるかを、DNA解析によって世界で初めて解明したと発表した。そこにはドーパミンや、寿命制御や概日リズム(体内時計)制御といった生命のタイミングに関連する遺伝子が関与しているという。 関連記事 岡山大学らが甲虫の「死んだふり」を操る遺伝子の全貌を世界で初めて解明、天敵から逃れる戦略を制御するゲノム 地上最強生物、水がなくても生きられるクマムシの乾燥耐性の仕組みが明らかに クモの糸を上回る強度のあるミノムシの糸と導電…続きを読む

地上最強生物、水がなくても生きられるクマムシの乾燥耐性の仕組みが明らかに
大学共同利用機関法人の自然科学研究機構生命創成探究センター(ExCELLS)は11月4日、クマムシが乾燥しても生きられる乾燥耐性の仕組みについて、CAHS1というタンパク質分子の振る舞いによるものであることを、世界で初めて解明し発表した。 最大でも体長1mm程度のクマムシは、実際には虫ではなく、4対の歩脚を持つ「緩歩動物」(カンポドウブツ)という生き物だ。そんなクマムシは、生育環境から水がなくなると「乾眠」(かんみん。クリプトビオシス。cryptobiosis)という状態になり、代謝を止めて生命活動を一時停止させるが、水が与えられると…続きを読む

人の臓器を単三電池ほどのサイズで再現した「生体機能チップ」開発のEmulateが約90.2億円調達
「生体機能チップ」テクノロジーの開発に力を入れるバイオテクノロジー企業、Emulate Inc.(エミュレート)は、2021年9月上旬、8200万ドル(約90億2000万円)のシリーズEラウンドを終了した。このラウンドの目的は、薬品会社のニーズを満たし、生体機能チップのアイデアを研究室で活かすための臓器モデルの開発「ロードマップ」に対して、大規模な投資計画を立てることだ。 関連記事 うつ病の自宅臨床試験の実施に乗り出すCerebralとAlto Neuroscience 人の臓器を単三電池ほどのサイズで再現した「生体機能チップ」開発の…続きを読む

バイオテックのスタートアップShiruが新規資金で植物由来原料の「発酵」を促進
タンパク質生化学者のJasmin Hume(ジャスミン・ヒューム)博士は、代替食料分野に取り組んでいる。テクノロジーを進化させることで、世界の食品産業が動物への依存を減らせる機会があると考えたからだ。 関連記事 熟成期間が長いハードチーズを動物性原料を使わずに作るBetter Dairyが約25.3億円を調達 Zero Acre Farmsが微生物(と約43億円)を使って植物油の代替品開発に取り組む 植物性由来のミールキットを配達するSplendid Spoonが約13.8億のシリーズB資金を獲得 同氏は2019年にShiru(シル)…続きを読む

エビの養殖を市街地のビル内に設置した「アクアタワー」で行うVertical Oceans
John Diener(ジョン・ディーナー)氏は、水産養殖による栄養学・遺伝子学会社CEOの仕事の一環として、何百というエビ養殖場を訪れてきた。しかし彼は、多くの施設で環境的に持続可能でない手法が使われていることにいら立ちを感じてきた。ある晩、妻が夕食の材料に冷凍エビを買ってきたとき、彼は自分が関わっている産業が自分たち家族の健康に悪影響を及ぼしていることに気がついた。なぜか?そのエビが養殖場で抗生物質を使っていることで知られている国から来たものだったからだ。ディーナー氏は我慢の限界に達し、海産物のための新しいモデルの構築に着手した。…続きを読む

芝浦工業大学が植物固有の触覚センサーとなるタンパク質を世界で初めて特定
芝浦工業大学の吉村建二郎教授たちからなる研究チームは10月18日、MCA1とMCA2タンパク質が植物の触覚センサーとして働くことを世界で初めて証明したと発表した。これまで植物には機械的刺激(力学的刺激)を感じるメカニズムがあり、その触覚センサーの候補はいくつか挙げられていたが、特定はされていなかった。この発見は、学術的に高く評価されるべきものと研究チームは考えている。 植物は移動が困難なため、風や害虫や障害物などによる機械的な刺激に敏感に反応して対処するメカニズムが備わっていると考えられてきた。その触覚センサーの候補として、2007年…続きを読む

金沢大学などが乳がん発症の超早期兆候を作り出す仕組み発見、がん予防・超早期がん診断治療への活用に期待
金沢大学がん進展制御研究所/新学術創成研究機構などによる研究グループは10月19日、乳がん発症の際に必ず表れる超早期の微小環境を作り出すメカニズムを発見したと発表した。癌予防、超早期がんの診断治療への活用、ひいてはがん撲滅への寄与が期待される。 乳がん発症の超早期には、間質細胞、免疫細胞などが集まり、がん細胞を取り囲む微小環境が作り出される。その微小環境から生み出されるサイトカイン(免疫細胞から分泌されるタンパク質)が、がん幹細胞様細胞に影響を与えていることはわかっていたが、実態は不明だった。この研究では、そのメカニズムを分子レベルで…続きを読む

過敏性腸症候群の患者を食事制限から解放するバイオテック企業Kiwi Bio
過敏性腸症候群(IBS)は、20人に1人が患っていると言われている。腸の働きに関係する一般的な疾患で、腹痛やトイレ利用にともなう困難など、さまざまな症状を引き起こす。 腸内環境を整えるには、特定の食品を避けることが有効だが、食餌療法の多くは非常に制限が厳しい、とAnjie Liu(アンジー・リュー)氏は話す。同氏は、ボストンのバイオテクノロジー企業であるKiwi Bio(キウイバイオ)の共同創業者で、過敏性腸症候群とともに生活することの難しさを身をもって知っている。 「食後にお腹が痛くなって医者に行き、その医者が専門家を紹介してくれる…続きを読む

細胞データの「新たなレイヤー」、プロテオーム解析用機器のIsoPlexisがIPO
細胞の周辺におけるタンパク質の活動を調べるツールを開発するIsoPlexisの株式が、米国時間10月8日からマーケットに出回った。同社はこのIPOで1億2500万ドル(約140億円)の調達を狙っており、資金で同社技術の商用化のためのチームを作り、精密医療の創造において重要な役割を果たすという同社の計画を進めようとしている。 IsoPlexisは2013年に創業した、薬学の研究でラボに出入りしているようなタイプの企業だ。同社は主に、シングルセルのプロテオーム解析(タンパク質とそれらの相互作用の研究)に力を入れてきた。同社は主に、免疫細胞…続きを読む

タンパク質シーケンシングを超高速化、Glyphic Biotechnologiesが6.6億円調達
DeepMind(ディープマインド)のおかげでヒトのプロテオーム(ある細胞に含まれているすべてのタンパク質)はすべて自由に閲覧できるようになるようだが、バイオテクノロジーの最先端では、毎日新しいタンパク質が作られ、テストされている。ここで重要になるのがタンパク質のシーケンシング(配列決定)だ。Glyphic Biotechnologies(グリフィックバイオテクノロジーズ)は、時間のかかるシーケンシングを高速化して、医薬品の開発期間を大幅に短縮しようとしている。 関連記事:DeepMindがAlphaFoldで折りたたみを行った人体の…続きを読む

DeepMindがAlphaFoldで折りたたみを行った人体のすべてのプロテオームをオンライン化
DeepMind(ディープマインド)と数社の研究開発パートナーは、人体を構成するほぼすべてのタンパク質の3次元構造が格納されたデータベースをリリースした。この3次元構造は、2020年実証された画期的なタンパク質フォールディングシステムAlphaFoldを使って、コンピューター上で算出したものだ。無料で利用可能なこのデータベースは、数百の分野や領域に及ぶ科学者たちに大幅な進歩と利便性の向上をもたらし、生物学と医学において新しい段階の礎を形成する可能性が高い。 AlphaFoldタンパク質構造データベースは、DeepMind、欧州バイオイ…続きを読む

AI創薬のSyntheticGestaltが約12億円を調達、機械学習モデルの拡張・自社パイプライン拡充に向けウェット試験実施
AIによる創薬事業を展開するSyntheticGestalt(シンセティックゲシュタルト)は9月29日、シリーズAラウンドにおいて、1100万ドル(約12億円、このうち400万ドルが株式、700万ドルが転換社債)の資金調達を発表した。引受先は英国政府系ファンドFuture Fundをはじめ、インキュベイトファンド、三井住友海上キャピタル、ほか2社。累計調達額は1400万ドル (約15億円)となった。 ロンドンと東京に拠点を持つSyntheticGestaltは、AI創薬事業を展開するスタートアップ。新薬候補物質を製薬企業に提供する「自…続きを読む

マンモス復活プロジェクトを投資家たちに売り込むことに成功したコロッサル
医療を一変させるCRISPR(ゲノム編集技術)の可能性に関心を持つ企業がますます増えている。しかし、この遺伝子編集システムを用いて現代にマンモス(あるいは、それに極めて近いもの)を蘇らせようとしている企業はおそらく1社しかいないだろう。 それを第一のミッションとして掲げている会社が新興企業Colossal(コロッサル)だ。異端の遺伝学者George Church(ジョージ・チャーチ)氏と、企業家でHypergiant(ハイパージャイアント)の前CEO Ben Lamm(ベン・ラム)氏によって創業された同社は、CRISPRを使って既存の…続きを読む

新型コロナのアルファ株・デルタ株変異体発見に貢献、ゲノム情報に特化した情報共有プラットフォームのSeqera Labsが約6億円調達
ビッグデータ時代の現在、あらゆる場所に存在する非構造化情報に秩序をもたらして理解するということは、最も重要なブレークスルーの1つだろう。ライフサイエンス分野において、この課題に取り組むためのプラットフォームを構築してきた欧州のスタートアップ(同社のプラットフォームは複数の研究所によって新型コロナウイルスの変異株の配列と特定にも活用された)が現地時間9月7日、より多くのユースケースに対応するためのツールを開発し、北米に進出するための資金調達を発表した。 バルセロナを拠点とするSeqera Labs(セケラ・ラブス)。シード資金として55…続きを読む


