[jp]Farmigoは農家をサポートするクラウドアプリ

米カルフォルニア州サンラファエル市 (サンフランシスコ市の近く)のFarmigoがCSA(community supported agriculture、提携農家)と手をとったビジネスを展開している。
カルフォルニア州、特にサンフランシスコ近辺でCSAはここ数年静かな盛り上がりを見せている。意外かもしれないが、カルフォルニアは農業がとても盛んな州だ。エコブームに合わせて、無農薬・有機農法の野菜は年々売上を伸ばし、近辺の食材を優先して食べるLocavore(近食家とでも呼ぼうか)という運動も地道な伸びを見せている。CSAと提携し、近辺の農家からの有機農法野菜で料理をするディナーパーティーは老若男女みんな楽しめる実益ある流行なのだ。
米国各地で盛り上がりを見せるCSAだが、小さな農家にとって提携直販は凄まじく労力と時間の負担をかける業務方式だ。支払い精算、配達スケジュールの調整、参加への問い合わせの電話とメールの受け答え、在庫と出荷管理。こうした多くの雑務に一週間30時間以上費やした提携農家もいたという。
こうした問題を解決するため、FarmigoはGoogle App Engine上で中小農家の事務仕事を大幅に削減する次のような管理機能をクラウドサービスとして展開している。
- ウェブ上の顧客参加申請と支払いシステム
- 配達リスト、スケジュール、伝票、配達ルート管理
- 収穫量、収穫物の種類、作物の値段、収穫の予定管理など
1年の時間をかけて120以上のパートナー農家と密接に開発していた成果を見せた、痒い所に手が届くような機能が揃っている。これらの導入によって安価に大手企業農家に負けない情報管理が望めるのが大きい。CSAはFarmigoのシステム導入で効率が上がり、顧客の数を増やすのが楽になったという。なによりも、無駄になった食材が減るといった地味にエコ効果までもあり、購買者とより親しい関係になったという証言が興味深い。
利用農家にはコストパフォーマンスの魅力がたっぷりだ。クラウドアプリなのでソフト導入には先行投資がほぼゼロ、サーバなどのハード設置と管理費用も必要としない。ネット接続などの微々たる費用で導入可能な上に、60日無料のテスト期間もあり、利用の敷居が非常に低く設定されている。
これらのサービスの代価としてFarmigoはサービス利用農家の収入の2パーセントを使用料として受け取っている。この2パーセントも絶妙な使用料設定のようで、ネットビジネスでは珍しく、利用農家のうち88パーセントが高い満足度を示している。こうしたことからも2009年7月のサービス開始より1年と若いながら堅実なビジネスを展開しているのが見える。
顧客へもたらされる利点も多い。ネットで注文、決済、配達の受け取り時間の指定などが可能になる。安値で新鮮で美味しい旬の食材が手に入り、農家は無駄になる作物が減る。直接販売によって、農家と顧客双方にうまみがあるのが素晴らしい。日本の農家でも、こうしたシステムを利用すれば産地地消をより現実的にできるのではないだろうか。
参考までにFarmigoの英語での説明ビデオを下にリンクしておこう。


