予言:Facebookは広告収益でGoogleを超える

編集部注:本誌の、いかにFacebookがGoogleを廃業に追い込むかに関する追究の一環として、ゲストライターのHussein FazalがFacebook広告に潜む優位性について論じる。Fazalは、Facebookにおける広告の管理とテクノロジーを扱うAdParlorのCEOである。
つい最近まで、Facebook広告は使えないというが共通認識だった。右側カラムに追いやられた小さな画像広告に誰が気付くだろうか。実際多くのユーザーには、バナー死角が形成され、そもそも右側カラム自体を無視していた。
しかし、以来Facebook広告は大きく変わった。プロフィール画面のデザイン変更により、ユーザーが詳細な情報を記入するようになり、広告主は「ハイパー・ターゲティング」の価値を理解しはじめた。Facebookの広告配信アルゴリズムは劇的に改善され、広告APIの公開により、さらに合理的なレイヤーが加わった。徐々に、右側カラムの広告市場は、あらゆる広告主にとって効果が高くなった ― 一方Facebookは営業チームを強化し、ブランドや代理店に対してプレミアム広告を推進している。こうした進展を受け、eMarketerの推測によると、Facebookの広告収益は2010年には$2B(20億ドル)に迫り、2011年には$4B(40億ドル)を超えるとされている。
こうした成功にもかかわらず、Facebookの収益は未だに検索の巨人に遠く及ばず、彼らがGoogleを超えると主張することは大胆な発言である。しかし、これが起こるべき道は明確に存在し、あとは時間の問題だ。時間軸は、Facebookがどれだけ積極的に自社の広告製品を売り込むかによる。私がFacebookの収益はGoogleを上回る、と信じる基本的理由は、未だ発展途上にあるソーシャル広告の力である。友達が特定の広告に関するコンテンツを「いいね!」と言って支持する、というコンセプトが、ゲームのしくみを変える。

AdParlorが扱ってきた、一千億を超えるFacebook広告市場(右側カラム)のインプレッションから得たデータから、ソーシャル広告が著しい実績向上を生んでいるという動かぬ証拠を見ることができる。いくつかのケースで、ソーシャル広告のクリックスルー率(CTR)は、Facebookの通常広告(ソーシャルなターゲットを行わない普通の広告)に比べて2倍を記録し、同じクリック単価(CPC)では、5~10倍のインプレッションを生んでいる。これにブランド想起(1.6倍)、メッセージ認知(2倍) 、購入意欲(4倍)などの上昇を加味すると、なぜソーシャル広告が極めて強力な製品であるかの理由が見えてくる。しかし、真の恩恵を知るためには、右側カラム広告だけでなく、他の分野にどうソーシャル広告を応用できるかを考える必要がある。Nielsenの調査結果も同じ傾向を示している。

ディスプレイ広告
オンライン広告全体を見渡した場合、IABの報告 によると、約1/4がディスプレイ広告である。250万以上のウェブサイトがFacebook Connectを採用し、毎日1万サイトが加わることにより、Facebookは同サービスと強く連携した外部ウェブサイトによる巨大なネットワークを作りつつある。これらのサイトがコンテキスト連携とソーシャルを融合させた広告を表示できるようになる時は目と鼻の先にある。Facebookがその気になれば、いつでもスイッチを入れられる。
さら言えば、「いいね!」ボタンがウェブ中に遍在するにつれ、ユーザーのプロフィールデータには、何をし、何を買い、何を薦めたかのデータが蓄積されてくる。Googleらが、 再ターゲティングで弾みをつけようとしているのに対して、Facebookはソーシャル再ターゲティングでさらに一歩先を行こうとしている。もし家内がNordstrom.comに行き、1足のブーツに「いいね!」を付ければ、その広告は夫婦両方をウェブ中追いかけることができる。
何年かおきに、伝統的ディスプレイ広告の上に新しいレイヤーが作られているが(コンテキスト、行動、再ターゲティング)、ここしばらく革新的なものが出ていない。ソーシャルは、次の根本的変化であり、Facebookはそれを活かしきる立場にある。
検索広告
同じIABの報告によると、オンライン広告収益の約45%が、検索から来ている。検索広告が他のどの媒体よりもこれほど強力な理由は、明確な購買意志を持つユーザーをターゲットするからだ。例えば、私が「自動車保険」を検索している時、私には高価値な購入への極めて高い関心がある。保険会社がこの種のクリックのためにGoogleに高額を支払うのは、そのユーザーを購入者へと変えられるチャンスが大きいことを知っているからだ。
FacebookのBingとの高度な融合に加え、いずれわれわれは、意思ベース検索とソーシャルリコメンデーションの力を組み合わせた広告を見ることになるだろう。ただしこれは、ユーザーがどの程度共有し「いいね!」を付けるかにかかっている。おそらく自動車保険会社の積極的キャンペーン(「Facebookで弊社にいいね!を付ければ保険料$100引き」)によって、いずれ自動車保険を検索すれば、どの会社を友達の誰が使っているかがわかる日が来るだろう。これは間違いなく旧来の検索より強力だ。
こうしたソーシャルのレイヤーがあるとしても、成功するためには検索の市場シェアを勝ち取る必要がある。Facebookはソーシャルグラフによって、Googleを王座から追いやり必要な市場シェアを奪取するという現実的機会を、初めて手にしている。果たしてMicrosoftが金食いの検索ビジネスをFacebookに売り払うのが起点になるのか、あるいはFacebookが一から独立した検索製品を作り上げるのか、いずれにせよこれがFacebookの広告収入がGoogleと肩を並べるかどうかに、最大の影響を与えることになる。
モバイル広告
2億5000万人のアクティブユーザーがモバイル機器経由でFacebookを利用し、現在Facebookは最も発展著しいプラットフォーム上に聴衆を集めつつある。iPhone、Blackberry、Androidで人気アプリを無料で提供していながら、未だにFacebookは一切のモバイル広告を提供しておらず、急ぐ様子もない。しかし、最近の小規模ながら狙いを定めた買収によって事態は変わりつつあるかもしれない。適切な形態を見つけ出すためには少々努力が必要だろうが、ここでもそのユーザーベースとユーザー同志を繋ぐソーシャルグラフによって、Facebookは断然有利なだ。
米国内の地域向オンライン広告費は、$20B(200億ドル)と推定されている ― これこそGoogleがあれほどGrouponに興味を持つ理由だ。地域とモバイルとソーシャルを合わせることによって、金の成る木の青写真が出来上がる。理論的にFacebookは、この種の広告を直接ユーザー携帯電話に配信することが可能だ ― 「あなたと親友のジョンは1ブロック離れたところにいて、二人ともピザが好きで、今はランチタイムです。一緒にピザハットに行って$5得しましょう」― もちろん、もっと短い言葉と美しい写真で。
ようやくモバイル広告費が本格的に使われ始めたが、誰もが予想するホッケースティック曲線はまだ見えてこない。それが起きるのは、もっと革新的なモバイル広告製品が出てきた時であり、Facebookは圧倒的に有利な位置にいる。
Facebookの国際マーケティング担当VP、Carolyn EversonがニューヨークのTechCrunch Disruptで「われわれは広告製品に関してまだ1%しか終っていない」と語ったのは、誇張ではないかもしれない。Facebookサイトの中に存在する広告は、実は始まりにすぎない。Facebookは、IPOの準備を進め、広告製品のラインアップを、ディスプレイ、検索、そしてモバイルへと広げるにつれ、それぞれの分野の景観を変えていくだろう。こうした別々の製品がそれぞれソーシャルグラフを通じて協力して働き始めることを考えると、さらにその影響力は強くなる。
多くの人々がFacebookの強みを、サイトにいるユーザーの数のためだと考えているが、真の力は、彼らがユーザーを、友達に、そして友達が「いいね!」と思う製品、人々、場所へとマッピングするやり方によるものだ。もしFacebookが収益のボリュームを上げようと決めたなら、このグラフを活用して複数のプラットフォームにまたがる強力なソーシャル広告を、他のどの会社も真似のできない規模で作り出すことができる。こうした製品の開発が進むにつれ、Facebookはオンライン広告の巨大な分け前を意のままにできるようになる ― そしてその時、Googleを超えていることは間違いない。
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(翻訳:Nob Takahashi)


